鹿児島事務所
平成22年12月9日(木)、機構鹿児島事務所は、パレスイン鹿児島(鹿児島市)において地域情報交換会を開催した。
同交換会は、機構鹿児島事務所が行う業務に対する管内関係者からの意見・要望等の把握、砂糖、でん粉およびその原料であるさとうきびやかんしょなどについての情報提供や意見交換を行うため、情報業務の一環として毎年開催しているものである。今回は、平成22年度の第2回地域情報交換会として、九州地区の精製糖企業・甘しゃ糖企業等および当機構から合わせて15名が一堂に会した。
はじめに、機構鹿児島事務所の肥後所長から開催の挨拶として、今回の開催経緯や主旨について説明した後、天野所長代理から「砂糖の国際需給と世界の食料事情」と題して、昨今、30年ぶりの高水準で推移している砂糖の国際相場や世界の砂糖の需給状況など、当機構が収集した最新のデータを元にした解説を中心に、世界の食料事情に関するさまざまな課題等も織り交ぜながら、話題提供を行った。
次に、調査情報部の脇谷上席調査役から「加糖調製品の需要動向について」と題して、機構が委託調査により実施している平成21年度甘味料の需要実態調査の結果をもとに、砂糖の需給に影響を及ぼすソルビトール調製品をはじめとした主要な加糖調製品について、ユーザーの使用動向などに関する情報提供を行った。
さらに、精製糖企業の各担当者からは、主に砂糖の販売状況などについて、甘しゃ糖企業の各担当者からは、主に各島のさとうきびの生育状況や工場の操業状況などについて、それぞれ報告がなされた。
その後の意見交換では、機構からの情報提供や出席者からの近況報告の内容に関して、質疑応答が行われた。「加糖調製品の需要動向について」に関しては、ソルビトール調製品の価格や流通状況、砂糖の販売に与える影響などの質問が出され、それぞれの質問に対して機構から説明が行われた。
また、九州地区における砂糖の販売状況や含みつ糖の需要についても質問が出され、機構以外の出席者からもそれに対する関連情報が提供されるなど、甘味需要の伸び悩み、海外粗糖相場の高騰、加糖調製品との競合など、関係業界がさまざまな課題を抱える中で、改めて各出席企業の経営の参考となるような意見が活発に出され、大変有意義な意見交換がなされた。
九州地区の精製糖企業や甘しゃ糖企業等の担当者が参集した地域情報交換会は今回が初めてであったが、参加者の中からは「各関係者との連携や情報交換を深めるためにも、今後も同様のメンバーによる交換会の開催を望む」という声が上がっていた。