ロシアの砂糖生産は近年増加を続けてきたが、2009/10年度においては、小麦など代替作物の価格高騰によるてん菜作付けの減少、2008年金融危機による投資の減少、および天候不順の影響を受け、生産量は350万トン(前年度比7.6%減)に減少した。
一方、消費量は金融危機による2008/09年度の減少からやや回復し、610万トン(同6.0%増)となった。このため、輸入量は前年度から大幅増加の290万トン(同53.8%増)となり、3年ぶりに増加に転じた。
国内の白糖卸売価格は、国際砂糖価格の高騰と減産による需給ひっ迫で上昇を続け、2010年4月には1トン当たり26,500ルーブル(78,175円、1ルーブル=2.95円注)にまで達し、前年同月の同20,400ルーブル(60,180円)を大幅に上回った。
しかしながら、5月に粗糖の輸入関税が前月の1トン当たり140米ドル(11,937円、1ドル=85.27円*注)から50米ドル(4,263円)に引き下げられ、また国際価格も下落したことから輸入量が急増し(図4)、白糖卸売価格は下落に転じた。6月以降は、国際砂糖価格の下落で輸入関税が再び引き上げられ、また5月の大量輸入の反動もあり、輸入量は低水準となっている。
*注:TTS相場11月最終日