1月のニューヨーク粗糖先物相場(期近3月限)は、世界的な需給ひっ迫感の強まりを背景に30セントを上回る高値水準で推移した。昨年12月には、豪州の主産地で大規模な洪水が発生し、砂糖生産への影響が懸念されたほか、インドについても、今年1月になって砂糖50万トンの輸出計画が見直されるなど、供給への不安が高まった。また、ロシアが例年5月に行う粗糖の輸入関税引き下げを3月に前倒しで実施するとみられること、EUが、域内需給のひっ迫を緩和するため、輸入促進策を検討していることなど、輸入需要は当面、底堅いとみられる。相場は月末に1ポンド当たり33.97セントに達した。
2月はじめ、豪州の主産地を大型サイクロン「ヤシ」が直撃し、生産量のさらなる減少が懸念されたことから相場は急騰し、2日には1980年の第二次石油危機以来の高値となる1ポンド当たり35.31セントに達した。その後、投資家の利益確定売りなどに押され相場は下落したものの、依然30セントを上回る水準を維持している。相場高は、中国の生産量が下方修正され輸入増加が見込まれること、インドの輸出動向が不透明なことのほか、中東の政情不安によるコモディティ高も影響しているとされ、15日には同30.82セントとなった。