2010/11年度の砂糖消費量は2550万トン(粗糖換算、前年度比2.2%増)と、3年ぶりに生産を下回るとみられる。このため、輸入量は前年度から大幅減少の80万トン(粗糖換算、同79.7%減)と予測される。なお、政府は2011年1月1日、粗糖、白糖の輸入関税(各60%)を復活させたが、同月8日に再び撤廃し、免税措置は2011年3月末まで延期されることとなった。理由は明らかにされていない。
砂糖生産の大幅な回復が見込まれる一方、輸出については不透明感が強まっている。政府は昨年12月、OGL(注1)方式で国産原料由来の砂糖50万トンの輸出を許可したが、今年に入り、国内食料価格の高騰を理由に輸出計画を見直すこととした。国際砂糖価格が高騰するなか、業界は早急な輸出実施を求めているが、政府は生産見通しがより確実になるまで慎重な姿勢をとるとみられる。
仮に今年度の生産が豊作となれば、輸出量は300万トンに達すると見込まれ、この内訳はOGLによる国産砂糖輸出130万トン、ALS(注2)制度下の輸出120万トン、輸入粗糖を原料とする精製糖工場(stand-alone refiner)による輸出50万トンとされる。
資料:LMC “Monthly Sugar Report, February 2011”
注1:OGL(Open General Licence)とは、登録を行った業者に対し、個別のライセンスを取得せずに輸出を許可する制度。
注2: ALS(Advanced Licensing Scheme)とは、輸入粗糖を精製後、一定期間内に再輸出することを条件に輸入関税を免除する制度。