3. 国際価格動向
最終更新日:2011年6月10日
3. 国際価格動向
2011年6月
ニューヨーク粗糖相場の動き(4/1〜5/20)
〜下落傾向から緩やかな上昇に転じる〜
4月のニューヨーク粗糖先物相場(期近5月限)は、世界第二位の輸出国タイで記録的な増産が見込まれること、世界最大の生産・輸出国ブラジルの新年度の生産が開始されたことなどから、先行きの需給ひっ迫懸念が後退し、月初めの27セント台から中旬には25セントを割り込むなど、下落傾向で推移した。下旬には、原油価格の上昇によりブラジルの生産が砂糖からエタノールにシフトするとの思惑やドル安を受け、相場は一時25セントの水準を回復した。しかし、インドの増産見込みによる追加輸出の観測や、ブラジルでガソリンへのエタノール混合率の下限が引き下げられ、エタノール需要が減少するとの見込みから相場は再び下落に転じ、月末には1ポンド当たり23.38セントと昨年10月以来の安値で納会を終えた。
5月に入ってからも、相場(期近7月限)は下落傾向で推移し、6日には1ポンド当たり20.47セントまで低下したが、中旬になると、世界第三位の消費国中国の輸入量が大幅に増加するとの見込みや、中東、北アフリカなどのイスラム諸国が8月から始まるラマダン(イスラム教の断食月)に備え手当てに動いているとの報を受け、緩やかな上昇基調に転じた。ブラジルさとうきび産業協会(UNICA)が、主産地中南部地域における4月の生産が前年度を大幅に下回ったと発表したことも、相場下支えの要因とみられている。相場は20日時点で1ポンド当たり22.41セントとなった。
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