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地域だより

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最終更新日:2011年6月29日

2011年6月

札幌事務所
 

 当事務所は、平成23年6月8日(水)に平成23年度の情報業務を実施するに当たり、道内における情報ニーズの明確化、情報精度の向上を図るため第一回地域情報交換会を開催した。

 今回は、北海道、農林水産省北海道農政事務所、ホクレン農業協同組合連合会、農業関係団体、消費生活団体など12名が参集した。まず、角田札幌事務所長の挨拶に引き続き、調査情報部脇谷上席調査役から平成23年の情報業務の重点テーマ、分野別テーマなどの説明がなされた。さらに同所長から札幌事務所の砂糖およびでん粉の情報業務実施計画案について説明があった後、各出席者から話題提供と機構の情報収集提供業務に対する意見・要望などを聴取するとともに、出席者全員による情報交換および意見交換が行われた。


 出席者からの主な話題提供は次のとおり。

(1)水田・畑作経営安定対策における平成22年度の加入経営体数は2万2000戸と高齢化による離農により対前年比200人減。また、22年産のてん菜の作付面積が対前年比1700ヘクタール減少した要因は、野菜、青刈りとうもろこしへの転作が考えられる。

(2)6月1日現在のてん菜の作況報告について、5月上旬から中旬にかけての低温、多雨、日照不足の影響により、てん菜の移植作業は7日遅れ、生育は2日遅れとなっていることから、てん菜からそばや豆など他作物への転作の可能性があるため、関係者は状況を注視していく必要がある。また、ばれいしょの作況報告については、植付は6日遅れ、生育は2日遅れとなっている。産地別では網走が7日、十勝が5日遅れとなっているが、6月に入って天候が回復してきたため平年並みとなっている。

(3)ばれいしょにおける生食用、加工用、ばれいしょでん粉用のいずれも需給はタイトであり、でん粉用向けが一部加工用向けにシフトされるなどといった用途向けのバランスが崩れる恐れがある。

(4)てん菜は投下労働時間が多いため、農家は大豆(黒大豆、いんげん豆)、そばなどへの転作を考えているのではないか。

(5)一般消費者には依然として「黒い砂糖は体に良く、白い砂糖は体に悪い」「白い砂糖は漂白している」などの誤解が根強い。

(6)情報誌の配布内訳をみると、一般消費者に対する配布数が少ないのではないか。

 さらに、作柄に関する話題では、昨年の記録的な不作の影響や春先の天候不順による播種作業の遅れがあったことから、今後の天候次第では今年も昨年と同様の収量になるのではとの懸念の声が多く聞かれた。


  また、情報業務に対する主な意見、要望は次のとおり。

(1)ホームページ上における統計情報で平均輸入価格などのデータについて、過去数年間さかのぼって掲載していただきたい。

(2)今年の4月号から巻末の統計情報がHPのみに掲載されることとなり、ホームページ上の統計情報も役にたっているが、一覧性の観点から言えば紙ベースの方が使いやすい。

(3)国内産糖は8割がてん菜糖、2割が甘しゃ糖という内訳であるにもかかわらず甘しゃ糖関連の記事の方が情報誌で多く取り上げられていることから、是非てん菜糖関連の記事を取り上げていただきたい。

(4)海外の主要生産国に関する情報は、海外調査の準備段階で予備知識の習得に使わせていただいている。

(5)一般消費者向けの講座を企画する際、砂糖類情報に掲載されている記事を参考にさせていただいた。
(2010年6月号「最近のアイスクリーム事情」、同年10月号「スポーツドリンクと糖質」、同年12月号「砂糖の白さは天然の色」)

 当事務所としても、上記の意見、要望などを踏まえつつ、情報誌やホームページだけでなく、一般消費者向け講座などを通じて正しい知識のPRや、北海道に関連する農畜産物の情報を積極的に発信するとともに今後も関係者の方々の理解および協力を得ながら情報業務をすすめてまいりたい。
 
 

那覇事務所
 

 沖縄本島北部地域さとうきび増産プロジェクト会議(以下、北部増プロ会議)は、さとうきびの重要害虫でガの仲間であるイネヨトウ(メイチュウ)の被害が本島北部で異常発生していることから、平成23年6月22日(水)、名護市の北部農村青少年教育センターにおいて、イネヨトウ対策会議を開催した。会議には北部地区各市町村役場、県、JA、製糖工場など約50名が参加した。

 5月28日に沖縄地方を襲った台風2号は風が強く雨が少なかったことから、さとうきびは葉片裂傷や塩害により葉枯れを起こしていた。その後の回復が遅れていると農家からの報告があり、北部地区さとうきび生産振興対策協議会を含めた関係機関において調査したところ、本島北部地区と伊是名島において、イネヨトウの異常発生によりさとうきびが枯れるなどの被害が確認された。

 被害の詳細なデータは把握されていないが、全滅したほ場も出ていることが分かった。

 イネヨトウは、幼虫がさとうきび葉鞘内部を食害し、芯枯れを引き起こす。また、成茎の芽子部分からも侵入し、赤腐病を二次的に併発させ、収穫茎の品質(糖度)低下の大きな要因となっている。

 防除にあたっては、ほ場および周辺の除草を徹底することや、薬液を葉鞘内に充分に浸透させたり、薬剤(粒剤)をきちんと植え付けた溝に沿って処理するなどの効果的な散布に注意する必要がある。

 対策会議は、北部増プロ会議会長である沖縄県農林水産部北部農林水産振興センター農業改良普及課の小橋川課長からの挨拶のあと、イネヨトウの被害について、(1)農業改良普及課から北部地区における発生経過、(2)北部地区さとうきび生産振興対策協議会から各市町村の現況、(3)病害虫防除技術センターから初期防除対策についてそれぞれ報告があり、過去の事例や対策方法などについて意見交換が行われた。

 会の終了にあたり、早急な対策として各生産者へのイネヨトウの情報提供を行うこと、今後、市町村の防除協議会などと連携した対策を図ることが確認された。

 異常発生の原因は不明であるが、生産者が一斉防除を行うなどの対策が必要と思われる。適正な薬剤散布により被害が防止されることから、共同利用組織においての共同防除の実施などの徹底した対策が望まれる。
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713