2. 近年の国際砂糖需給構造の変化(2006/07⇒2011/12年度)
最終更新日:2011年8月8日
2. 近年の国際砂糖需給構造の変化(2006/07⇒2011/12年度)
2011年8月
生産量
2011/12年度において、世界最大の生産国はブラジルとなり、インド、EU、中国がこれに次ぐ見通しである。これらの順位は2006/07年度と変わらない。ブラジルは世界の需要増加を背景に増産し、世界生産の約2割を占める。EUは、2006/07年度からの砂糖制度改革により生産割当数量が削減されたことから、生産が縮小している。タイは、さとうきびの作付け増加で生産量が大幅に増加し、2011/12年度においては、米国を上回り、中国に次ぐ生産国になると予測されている。
消費量
2011/12年度において、世界最大の消費国はインドとなり、EU、中国、ブラジル、米国がこれに次ぐ見通しである。これらの順位は2006/07年度と変わらない。インド、中国、インドネシアをはじめとするアジア諸国では、人口増加と経済発展を背景に消費量が年々増加している。ブラジルも同様の傾向である。一方、ロシアは人口減少を背景に消費量が減少傾向にある。メキシコでは、甘味料需要が異性化糖へシフトしたため、砂糖消費量が減少している。これらの影響を受け、2011/12年度においては、インドネシアがロシア、メキシコを上回り、米国に次ぐ消費国になると予測されている。
輸入量
2011/12年度において、世界最大の輸入地域はEUとなる見通しである。EUは砂糖生産の縮小に伴い輸入が増加している。2006/07年度に最大の輸入国であったロシアは、国内生産の増加と消費の減少により、輸入需要が低下するとみられている。インドネシア、中国は、消費量の増加に国内生産が追い付かず、不足を補うため輸入需要が増加している。米国は、2008年に北米自由貿易協定(NAFTA)の下、メキシコとの間で甘味料貿易の完全自由化を実施した影響により、同国からの輸入が増加している。
輸出量
2011/12年度において、世界最大の輸出国はブラジルとなり、タイがこれに次ぐ見通しである。ブラジルは世界の需要増加を背景に輸出が増加し、世界の輸出の約半分を占める。タイは、増産により輸出余力が拡大し、世界の輸出に占める割合が2006/07年度の9%から13%に拡大する見込みである。インドは、年によって生産量の変動が大きく、豊作年には輸出国、不作年には輸入国となる。2011/12年度は豊作が見込まれることから、タイに次ぐ輸出国になるとみられている。豪州、南アフリカは、悪天候などによる減産で輸出余力が低下しており、世界輸出に占める割合も低下が見込まれている。
注:EUは、2005/06年度まで純輸出地域であったが、2006/07年度からの砂糖制度改革に伴う生産縮小で純輸入地域に転じた。輸入先は、特恵アクセスを認めているACP諸国(EUの旧植民地であるアフリカ、カリブ、太平洋諸国)およびLDC諸国(後発開発途上国)が中心となっている。
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