3. 国際価格動向
最終更新日:2011年8月9日
3. 国際価格動向
2011年8月
ニューヨーク粗糖相場の動き(6/1〜7/20)
〜目先の需給ひっ迫懸念受け、堅調に推移〜
6月上旬のニューヨーク粗糖先物相場(期近7月限)は、5月末にEUが域内需給のひっ迫を緩和するため、無税輸入枠を20万トン拡大すると決定したこと、世界最大の輸出国ブラジルおよび世界第二位の輸出国タイで港湾の混雑により輸出に遅延が生じると懸念されたことなど、目先の需給ひっ迫感が強まったほか、ドル安、原油価格の上昇も影響し、上昇基調で推移した。中旬になると、ブラジルさとうきび産業協会(UNICA)が、主産地中南部における5月後半の砂糖生産量が前年度を上回ったと発表したこと、世界最大の消費国インドの2011/12年度の生産が前年度に引き続き豊作と見込まれたことなどから相場は一時下落したが、天候不順などによりブラジルの生産量が当初予測を下回ると懸念されたことなどを受け、16日以降は再び上昇傾向で推移した。インド政府は23日、OGL方式による砂糖50万トンの追加輸出を許可したが、同国の輸出は以前から見込まれていたため、相場の下げ要因とはならなかった。月末には、インドがさらに輸出を増やす可能性があると報じられたことや投資家の利益確定売りに押され、相場はやや下落し、1ポンド当たり28.36セントで納会を終えた。
7月に入ってからも、相場(期近10月限)は堅調に推移し、12日には3月上旬以来の高値となる1ポンド当たり30.49セントに達した。UNICAがブラジル中南部の生産予測を下方修正するとの見方が関係者の間で広まり、目先の需給ひっ迫が懸念されたことが影響したとみられている。14日には、UNICAが公表した生産予測が関係者の見込みほど低くなかったこと、また、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が追加の金融緩和策の早期実施に慎重な姿勢を示し、商品市況全般が下落したことから相場は30セントを割り込んだものの、その後も高値水準で推移し、20日時点で同28.92セントとなった。
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