3. 国際価格動向
最終更新日:2011年9月9日
3. 国際価格動向
2011年9月
ニューヨーク粗糖相場の動き(7/1〜8/19)
〜ブラジルの減産懸念などを背景に高値水準を維持〜
7月上旬のニューヨーク粗糖先物相場(期近10月限)は、世界最大の生産・輸出国ブラジルで天候不順による減産が懸念され、当面の世界需給はひっ迫するとの見方が強まったことから堅調に推移し、12日には1ポンド当たり30.49セントと3月上旬以来の高値に達した。14日には、ブラジルさとうきび産業協会(UNICA)が前日に発表した2011/12年度における同国中南部の生産予測が関係者の見込みほど低くなかったこと、また、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が追加の金融緩和策の早期実施に慎重な姿勢を示し、商品市況全般が下落したことなどを受け、相場は30セントを割り込んだものの、その後も高値水準を維持した。下旬になると、欧米の債務問題解決への期待が高まり商品市況が回復したこと、また、ブラジルの生産が引き続き不安視されたことなどから相場は再び上昇し、22日には同31.34セントに達した。月末には、投資家の利益確定売りなどに押され相場はやや下落したものの、同29.81セントの高値水準となった。
8月に入ると相場は軟化し、8日には1ポンド当たり26.98セントに下落した。世界最大の消費国インドが輸出をさらに増加させるとの観測が広がったこと、ブラジルの7月の輸出量が306万トンと8カ月ぶりの高水準になったことなどを受け、目先の需給ひっ迫懸念が後退したほか、米国債の格下げで商品市況が悪化したことも影響したとされる。その後、価格下落を受けた輸入国の需要増加や、ブラジル生産への根強い不安、ドル安などにより相場は再び上昇し、19日には同30.96セントに達した。なお、インド政府は12日、OGL方式による輸出をさらに50万トン追加することを許可したが、同国の輸出は以前から予測されていたため、相場の下げ要因とはならなかったとみられる。
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