3. 国際価格動向
最終更新日:2011年10月7日
3. 国際価格動向
2011年10月
ニューヨーク粗糖相場の動き(8/1〜9/20)
〜当面の需給ひっ迫懸念を背景に高止まり〜
8月初めのニューヨーク粗糖先物相場(期近10月限)は軟調に推移し、8日には1ポンド当たり26.98セントと6月中旬以来の安値となった。世界最大の生産・輸出国ブラジルの7月における輸出量が8カ月ぶりの高水準となる306万トンに達したこと、世界最大の消費国インドが輸出をさらに増加させるとの観測が広がったことなどを受け、目先の需給ひっ迫懸念が後退したほか、米国債の格下げで商品市況全般が悪化したことも影響したとみられる。同月中旬になると、価格下落を受けた輸入国の需要増加や、ブラジルの生産への根強い不安、ドル安などを背景に相場は上昇し、19日には同30.96セントに達した。なお、インド政府は12日、OGL方式注による輸出をさらに50万トン追加することを許可したが、同国の輸出は以前から予測されていたため、相場の下げ要因とはならなかったとみられる。その後、相場は投資家の利益確定売りなどに押されやや下落したものの、高値水準で推移し、月末には同29.68セントとなった。
9月に入ってからも、相場は高値水準を維持した。8月末にブラジル国家食糧供給公社(CONAB)が砂糖の生産予測を5月時点よりも引き下げるなど、依然としてブラジルの供給に不安が残るほか、世界第2位の消費国である中国が、国内供給の不足から輸入量を大幅に増やす可能性が高いと見込まれるなど、当面の需給はひっ迫するとの見方が広がったことが要因とみられる。しかしながら、16日の相場は1ポンド当たり27.52セントに急落し、その後も28セントを下回っている。タイ、EU、ロシアなど北半球の主要国で増産が見込まれ、目先の需給ひっ迫懸念が後退したことや、欧州の債務問題を受けたドル高などが影響したとみられる。相場は20日時点で同27.59セントとなった。
注:OGL(Open General License)とは、登録を行った業者に対し、個別のライセンスを取得せずに輸出を許可する制度。
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