砂糖の国内需給
最終更新日:2011年10月7日
砂糖の国内需給
2011年10月
1.農林水産省、砂糖及び異性化糖の需給見通しを公表
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」により、砂糖等に関して適切な価格調整を図るため、四半期毎に砂糖及び異性化糖の需給見通しを公表することとしており、9月に平成23砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し及び平成22砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給実績見込みを公表した。
(1)砂糖の消費
〜平成23年度は対前年2万9000トン増加の見込み〜
我が国の23砂糖年度(10月〜9月)の総消費量は、対前年2万9000トン増の208万5000トンの見込みである。内訳を見てみると、分みつ糖は前年度から2万7000トン増の205万トン、含みつ糖は前年度から微増の3万5000トンの見込みとなっている。
(2)砂糖の供給
〜平成23年度はてん菜糖生産量が回復し対前年10万トン増加の見込み〜
23砂糖年度の供給見込みについては、対前年5万トン増の205万9000トンの見込みである。内訳を見てみると、国内産糖が75万5000トン、輸入糖が130万4000トンの見込みとなっている。
てん菜については、作付面積が前年産に比べ減少し、4月下旬から5月上旬の降雨により定植が遅れたことに加え、生育初期の6月には一部地域で降雹及び集中的な豪雨の被害を受け21年産以前と比べて低調であったが、極端な低収であった昨年よりは回復し59万4000トンと見込まれる。
さとうきびについては、収穫面積が前年産に比べ減少し、生育初期の3月から4月の低温により生育が遅れたことに加え、台風、干ばつ、害虫による被害を受けたことから15万2000トンと見込まれる。 輸入糖については、分みつ糖は消費量の見通し、国内産糖供給量及び在庫変動を勘案して対前年5万トン減の129万4000トンと見込まれる。一方、含みつ糖は最近の輸入動向を踏まえ対前年同の1万トンと見込まれる。
(3)異性化糖の需給見通し
〜平成23年度は対前年7000トン減少の見込み〜
消費量は、近年の消費動向等を踏まえ、対前年7000トン減の80万6000トンの見込みである。なお、供給量は消費量に見合った量が供給されるものとしている。
2. 輸入動向
財務省「貿易統計」によると、2011年7月の甘しゃ糖・分みつ糖の輸入数量は、前年同月比9.9%増、1万2161トン上昇の13万4908トンであった。また、同月の輸入価格の平均は、前年同月比で26.4%高、1万1909円上昇のトン当たり5万6938円であった。
一方、同月の国別輸入量を見てみると、タイが12万2832トン(前月比△20.1%、△3万815トン、前年同月比+85.5%、+5万6605トン)、豪州が1万2076トン(前月実績なし、前年同月比△58.3%、△1万6911トン)となっている。
また、同月の国別輸入価格は、タイが5万6547円(前月比△0.2%、△93円、前年同月比+32.6%、+1万3893円)、豪州が6万921円(前月実績なし、前年同月比+16.6%、+8681円)となっている。
3.市場の動き
〜大小袋ともまずまず〜
8月の砂糖の荷動きは、7月下旬から精糖市況が下がり先安観が払拭されたことから大小袋ともまずまずであった。なお、異性化糖については中旬以降の寒気や本州付近に停滞した前線の影響で涼しい日が続いたことや直近3カ月の生産量が高水準だったことなどから5カ月ぶりに減少した。
8月の砂糖の日経相場(東京)上白大袋価格は、精糖各社が7月下旬に建値(出荷価格)をキログラム当たり4円引き下げて以来、同185〜186円の水準で推移した。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713