3. 国際価格動向
最終更新日:2011年11月9日
3. 国際価格動向
2011年11月
ニューヨーク粗糖相場の動き(9/1〜10/20)
〜需給ひっ迫懸念後退で下落するも、10月中旬以降、タイ洪水などの影響で再び上昇〜
9月初旬のニューヨーク粗糖先物相場(期近10月限)は、前月に引き続き29セント前後の高値水準で推移した。8月末にブラジル国家食糧供給公社(CONAB)が砂糖の生産予測を5月時点から引き下げるなど、同国の供給が依然として不安視されたほか、世界第2位の消費国である中国が、国内供給の不足から輸入量を大幅に増やす可能性が高いと見込まれるなど、当面の需給はひっ迫するとの見方が広がったことが要因とみられる。しかしながら、16日の相場は1ポンド当たり27.52セントに急落し、その後も下旬にかけて軟調に推移した。タイ、インド、EU、ロシアなど北半球の主要国で豊作が予測され、これらの国々がブラジルの減産分を補うとの見通しから需給ひっ迫懸念が後退したことや、対ユーロでのドル高などが影響したとみられる。26日以降は、欧州債務問題解決への期待による原油高などを受け相場はやや回復し、月末には1ポンド当たり26.34セントで納会を終えた。
10月初めの相場(期近3月限)は、10月以降北半球の各国で新年度の生産が開始され、供給増加により当面の需給は緩和するとの見込みから25セントを下回る水準で推移した。しかし、中旬になると、ブラジルに次ぐ世界第2位の輸出国タイで洪水の影響による新年度の生産開始遅れや減産が懸念されたことなどを受け、目先の需給ひっ迫懸念が再び強まったことから相場は上昇基調に転じ、14日には1ポンド当たり27.93セントに達した。世界最大の消費国インドで、降雨やさとうきび価格の決定遅れで生産開始が遅延するとの観測が広がったことも、上昇の要因とみられる。その後、欧州債務問題の再燃で商品市況全般が悪化したことなどを受け相場はやや下落し、20日時点で1ポンド当たり26.80セントとなった。
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