3. 国際価格動向
最終更新日:2011年12月9日
3. 国際価格動向
2011年12月
ニューヨーク粗糖相場の動き(10/3〜11/18)
〜供給過剰見通しで軟調に推移〜
10月初めのニューヨーク粗糖先物相場(期近3月限)は、10月以降北半球の各国で新年度の生産が開始され、供給増加により当面の需給は緩和するとの見込みから25セントを下回る水準で推移した。しかし、同月中旬になると、ブラジルに次ぐ世界第2位の輸出国タイで大規模な洪水の発生により新年度の生産開始遅れや減産が懸念されたこと、また、世界最大の消費国インドで降雨やさとうきび価格の決定遅れで生産開始が遅延するとの観測が広がったことなどを受け、目先の需給ひっ迫懸念が強まったことから相場は上昇基調に転じ、14日には1ポンド当たり27.93セントに達した。その後、欧州債務問題の再燃により商品市況全般が悪化したことや、インドで豊作が見込まれ輸出の可能性が高まったことなどを受け相場は下落傾向で推移し、月末には同25.77セントとなった。
11月に入ってからも相場は軟調に推移している。世界最大の生産・輸出国ブラジルは、ほ場の新植割合の低下や悪天候などの影響により減産が見込まれているものの、タイ、インド、EU、ロシアなど北半球の主要国で豊作が予測され、世界全体の砂糖需給は供給過剰になるとの見方が広がったことが相場下落の背景と考えられる。また、欧州債務問題の長期化による商品市況の悪化や、景気後退による砂糖需要の減少懸念も影響しているとみられる。相場は18日時点で1ポンド当たり23.97セントと、6月上旬以来の安値となった。
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