砂糖の国内需給

調査情報部

　農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」により、砂糖等に関して適切な価格調整を図るため、四半期毎に砂糖及び異性化糖の需給見通しを公表することとしており、12月に平成23砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通しを公表した。

〜平成23砂糖年度は対前年3万2000トン増加の見込み〜

　我が国の平成23砂糖年度（10月〜翌9月）の総消費量は、対前年3万2000トン増の208万3000トンの見込みである。内訳を見てみると、分みつ糖は前年度から3万2000トン増の205万トン、含みつ糖は対前年同の3万3000トンの見込みとなっている。

〜平成23砂糖年度はてん菜糖生産量が回復し対前年6万6000トン増加の見込み〜

　平成23砂糖年度の供給見込みについては、対前年6万6000トン増の207万7000トンの見込みである。内訳を見てみると、国内産糖69万7000トン、輸入糖138万トンとなっている。

　てん菜については、不作であった前年産に比べ生産量は回復しているものの、作付面積が減少し、4月下旬から5月上旬の降雨により定植が遅れたことに加え、生育初期の6月には一部地域で降雹や集中豪雨の被害を受けたことから、56万2000トンと見込まれる。

　さとうきびについては、収穫面積が前年産に比べ減少し、生育初期の3月から4月の低温により生育が遅れたことに加え、台風、干ばつ、害虫による被害を受けたことから、12万7000トンと見込まれる。

　輸入糖については、分みつ糖は消費量の見通し、国内産糖供給量及び在庫変動を勘案して対前年2万4000トン増の137万トンと見込まれる。一方、含みつ糖は最近の輸入動向を踏まえ対前年同の1万トンと見込まれる。

〜平成23砂糖年度は対前年同の見込み〜

　消費量は、近年の消費動向等を踏まえ、前回見通し数量と同じ対前年同の80万6000トンの見込みである。なお、供給量は消費量に見合った量が供給されるものとしている。

　財務省「貿易統計」によると、2011年10月の甘しゃ糖・分みつ糖の輸入数量は、前年同月比4.5%減、5543トン減少の11万7847トンであった。また、同月の輸入価格の平均は、前年同月比で14.2％高、7317円上昇のトン当たり5万8899円であった。

　一方、同月の国別輸入量を見てみると、タイが5万3759トン（前月比△59.7％、△7万9708トン、前年同月比△47.3％、△4万3352トン）、豪州が4万8500トン（前月比+79.6％、+2万1501トン、前年同月比+10.0％、+2455トン）、フィリピンから2010年2月以来となる1万5588トンが輸入された。

　また、同月の国別輸入価格は、タイが5万7035円（前月比△5.1％、△3078円、前年同月比+22.1％、+1万333円）、豪州が6万1499円（前月比△4.2％、△2723円、前年同月比+15.8％、+8386円）、フィリピンが5万7238円となっている。

〜荷動きは大小袋とも低調〜

　11月の砂糖の荷動きは、低調であった10月下旬から若干持ち直したものの、長引く景気低迷を受け、依然、大小袋とも低調であった。11月の精糖出荷量は、前年の93%まで落ち込み、特に小袋は対前年比10%以上も減少した。

　11月の砂糖の日経相場(東京)上白大袋価格は、精糖各社が10月上旬に建値(出荷価格)をキログラム当たり5円引き上げて以来、同190〜191円の水準で推移した。