3. 国際価格動向
最終更新日:2012年2月10日
3. 国際価格動向
2012年2月
ニューヨーク粗糖相場の動き(12/1〜1/20)
〜横ばいの展開から1月中旬以降は上昇基調〜
12月のニューヨーク粗糖先物相場(期近3月限)は、需給面で新しい材料が見当たらない中1ポンド当たり22セント台後半〜24セント台前半の小幅レンジで推移し、横ばいの展開となった。
前月に引き続き、世界の砂糖需給は最大の生産・輸出国ブラジルが減産となっても、北半球の主要国の増産により供給過剰になるとの見方が強い。世界第2位の輸出国のタイでは、例年よりも2週間早い11月中旬に2011/12年度の製糖が開始され、前年度に引き続き豊作が予測されている。一方、最大消費国のインドでは、豊作による砂糖の余剰発生が見込まれるため、政府は11月下旬にOGL方式注による砂糖100万トンの輸出を許可した。また、世界有数の輸入国であるロシアでは、てん菜の豊作を背景に砂糖生産が例年を大幅に上回っており、輸入需要が減少している。一方で、相場が下がると砂糖需要の増加期待などから買いが入り、相場を下支えした。月末の相場は同23.30セントと、レンジの範囲内となった。
1月3日の相場は、対ユーロでのドル安などを受け前月末から急伸し、1ポンド当たり24.51セントとなった。しかし、その後は依然として世界的な供給過剰が見込まれることから、相場は再び23セントの水準に下落した。13日以降は、米国農務省(USDA)が同国の主要輸入先であるメキシコの砂糖生産量予測を下方修正し、両国の供給ひっ迫が懸念されたことや、フランスとスペインの国債入札が堅調に終了し、欧州債務問題への懸念が後退したことに伴い対ユーロでドルが下落したことなどを受け相場は続伸し、20日時点で1ポンド当たり24.89セントとなった。
注:OGL(Open General License)とは、登録を行った業者に対し、手続きを簡素化するために、包括的に輸出を許可する制度。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713