3. 国際価格動向
最終更新日:2012年3月9日
3. 国際価格動向
2012年3月
ニューヨーク粗糖相場の動き(1/3〜2/17)
〜供給過剰感で下落するも、2月以降はほぼ横ばいに〜
1月初めのニューヨーク粗糖先物相場(期近3月限)は、対ユーロでのドル安などを受けて前月末から急伸し、4日には1ポンド当たり24.42セントとなった。しかし、その後は需給面で目新しい材料が見当たらず反落し、同23セント台前半から後半のレンジで推移した。中旬になると、米国の主要輸入先国であるメキシコでさとうきびの単収低下による供給不足が懸念された。さらに、世界第一位の輸出国ブラジルは降雨の影響でさとうきびの収穫が遅延するとの観測が広がった。これらの目先の需給ひっ迫懸念を受け、相場は一時同25セント近くまで急伸した。しかし、24日以降、ブラジルの減産分を北半球の主要生産国の増産分が相殺し、供給過剰になるとの見方が再び広まり、相場は下落した。このため、月末の相場は同23.64セントと、23セント台に落ち着いた。
2月に入ってからも相場は下落し、消費国パキスタンが砂糖10万トンを輸出するなどで供給過剰感がさらに広がり、2日の相場は同23.48セントとなった。しかし、その後、相場の割安感で買いが集中したことにより反発し、24セント台まで上昇した。最大消費国のインドでは、7日の閣僚会議でOGL方式注による輸出をさらに100万トン追加することを政府が許可したが、一方でドル安の動きも強まったため、相場の大きな下げ要因とはならなかった。中旬になると、欧州の債務問題で揺れるギリシアの支援プログラムが月内にまとまるとの期待感が広まり、対ユーロでのドル安が進んだ。さらに、原油価格が上昇したことも相場を下支えすることとなり、17日時点で同24.62セントとなった。
注:OGL(Open General License)とは、登録を行った業者に対し、手続きを簡素化するために、包括的に輸出を許可する制度。
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