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地域だより

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最終更新日:2012年4月5日

2012年3月

南城市玉城糸数地区で地域情報交換会を開催

那覇事務所
 

 平成24年3月15日(木)、南城市玉城糸数のほ場において、南部地区さとうきび協議会および当機構那覇事務所の共催により、地域情報交換会が開催され、生産者、製糖関係者、原料員、オペレータなど150名が参加した。

 この地域情報交換会は砂糖制度の周知を図るとともに、さとうきび生産農家の労力の低減を図り、増産や単収増につなげるため、植え付けおよび株出管理作業等に関する各種作業機械や農薬散布の方法を紹介することを目的に開催した。

 開会に当たっては、南部地区さとうきび協議会の比屋根会長(八重瀬町町長)の挨拶に続き、当機構の薄井那覇事務所長が機構作成のパンフレット「日本の砂糖を支える仕組み」をもとに、砂糖の価格調整制度について説明を行った。機構は国内産糖交付金および甘味資源作物交付金の交付を行っており、財源となる調整金は砂糖等の輸入者から徴収しているが、その調整金は最終的には砂糖の価格に転嫁されるので、国内の砂糖生産は、消費者に支えられていることや、台風の常襲地帯で干ばつなどの気象災害が多い沖縄では、さとうきびは重要な作物であることから関係者一丸となって糖価調整制度を守っていくことが重要であることについて理解を求めた。

 次に南城市玉城さとうきび生産組合の玉城健組合長の挨拶の後、イネヨトウの防除、さとうきび作業機械実演会が行われた。
 
 
○イネヨトウの防除について

 南部農業改良普及センターの安仁屋氏から、以下のとおり説明があった。

 イネヨトウは、例年局所的に被害はあったが、平成23年産は、特に沖縄県では北部地域および周辺離島で被害が大きく、南部地域でも被害が目立ってきており、今後のさらなる被害の拡大が懸念される。

 イネヨトウは、蛾の仲間で葉に卵を生む。幼虫は集団で茎の中に入って茎を食べ成長点を止め、芯枯れを引き起こし、次々とさとうきびを渡り被害を及ぼす。また幼虫が大きくなると梢頭部の葉を食べるため、風が吹くと梢頭部が折れやすくなる。

 イネヨトウは、年中発生しているが、さとうきびの植付時や株出管理時に薬剤処理により防除をすることが最も効果がある。


農薬の散布の仕方

1.植付け、株出し時は、粒剤(アドバンテージS粒剤、オンコル粒剤)を300坪(約990u)当たり、2から3袋を散布する。肥料と一緒に入れ、その後根切りをするとより効果がでる。根切りをしたあと散布してもよいが、雨で流れることがある。

2.アドバンテージS粒剤は、散布してから40日くらいで効果がなくなるので、その時にほ場のさとうきびが芯枯れしていたら、乳剤(スミチオン乳剤、スミバッサ乳剤)を入れる。幼虫は夜に茎の中から出てくるので、乳剤を葉の隙間に散布すると幼虫が葉に付いている農薬に触れて死ぬため、効果的である。これらの散布は粒剤をまいてから40日後、培土の後に行うとより効果的である。


○ さとうきび作業機械実演会

 今回の実演会は株出管理機および植付機の実演が行われた。(株)くみき、ヤンマー沖縄(株)及び沖縄クボタ(株)の3社の担当者が作業機の説明を行い、次々に実演を行った。

 今回の実演会で紹介した株出管理機は、(1)株割式株出管理機(大型)(2)株割式株出管理機(小型)(3)乗用型ハンマーモア(4)ハーフソイラー(5)人力式補植機(6)苗切り機(7)ロータリー(8)二節苗プランタ(9)全茎式プランターであった。


○実演会で紹介された作業機械
 
 
 今回の実演会は、前日の雨のため、ほ場はぬかるんでおり、また当日の天気は曇りで時折小雨がぱらつくなど、ほ場の状態は良くなかったが、当日は多数の人が集まり、多くの農家の方々は担当者に機械の効果や性能などについて質問をしていた。

 実演会を通じて、農家に株出管理の重要性を認識してもらい今後の単収向上および増産を期待したい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713