砂糖の国内需給
最終更新日:2012年7月10日
砂糖の国内需給
2012年7月
1.農林水産省、砂糖及び異性化糖の需給見通しを公表
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」により、砂糖等に関して適切な価格調整を図るため、四半期毎に砂糖及び異性化糖の需給見通しを公表することとしており、6月に平成23砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)を公表した。
(1)砂糖の消費
〜平成23砂糖年度は、分蜜糖消費量が回復し対前年1万1000トン増加の見込み〜
我が国の23砂糖年度(10月〜9月)の総消費量は、前回見通しと変わらず対前年1万1000トン増の206万2000トンの見込みである。内訳を見てみると、分蜜糖は前年度から1万2000トン増の203万トン、含蜜糖は前年度から1000トン減の3万2000トンとなっている。
(2)砂糖の供給
〜平成23砂糖年度は、てん菜糖生産量が回復し対前年3万9000トン増加の見込み〜
3砂糖年度の総供給量は、対前年3万9000トン増の205万トンの見込みである。内訳を見てみると、国内産糖67万4000トン、輸入糖137万6000トンとなっている。
てん菜については、全般的に褐斑病等が多発した前年産に比べて被害は少なかったものの、他作物への転換により作付面積が減少したことに加え、移植遅れの影響により生育に抑制がみられた地域があったことなどから、56万4000トンと見込まれる。
さとうきびについては、収穫面積が前年産に比べて減少し、春先の低温による初期生育の不良に加え、度重なる台風の襲来、夏季の干ばつ、害虫の発生等による被害を受けたことから、10万4000トンと見込まれる。
輸入糖については、分蜜糖は消費量の見通し、国内産糖供給量及び在庫変動を勘案して対前年2万トン増の136万6000トンと見込まれる。
また、含蜜糖は国内産糖及び輸入糖を合わせた1万6000トンと見込まれる。
(3)異性化糖の需給見通し
〜平成23砂糖年度は対前年1万1000トン増加の見込み〜
消費量は、近年の消費動向等を踏まえ、対前年1万1000トン増の81万7000トンの見込みである。なお、供給量は消費量に見合った量が供給されるものとしている。
2.輸入動向
財務省「貿易統計」によると、2012年4月の甘しゃ糖・分蜜糖の輸入は、全量タイ産であった。輸入先相手国が1カ国なのは2009年4月以来のことであり、その時もタイであった。
同国からの輸入数量は、10万2463トン(前月比+22.9%、+1万9121トン、前年同月比△34.2%、△5万3165トン)であった。 一方、輸入価格は、5万2391円(前月比+3.7%、+1877円、前年同月比△17.4%、△1万1061円)であった。
3.市場の動き
〜糖種によりバラつきが見られた〜
5月の砂糖の荷動きを糖種別で見てみると、精糖各社が夏場の電力問題を受け前倒し生産に動いたため、飲料向けなどのグラニュ糖の動きは堅調だったものの、三温・中ざら糖は低調であった。5月の精糖出荷量は、小袋は前年より若干下回ったものの、大袋が引き続き堅調を維持したことから2カ月連続で前年同月を上回る結果となった。
5月の砂糖の日経相場(東京)上白大袋価格は、粗糖の国際価格下落を受けて、精糖各社が1月下旬に建値(出荷価格)をキログラム当たり5円引き下げて以来、同185〜186円の水準で推移した。
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