5.日本の主要輸入先国の動向
最終更新日:2013年4月10日
5.日本の主要輸入先国の動向
2013年4月
2012年における砂糖輸入量のうち、甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14−110)は140万3067トンと、全体の97.7%を占める。そのうち、タイ(58.5%)、豪州(33.7%)、南アフリカ(2.1%)と、この3カ国で94.3%を占める。(財務省「貿易統計」)
タイ
【生産見通し】
砂糖生産量は前年度比11.8%減の見込み
タイでは2012/13砂糖年度(10月〜翌9月)の製糖が終盤にさしかかっている。3月21日までのタイ全体のさとうきび収穫量は前年同期比7.1%増の9047万トンとなった。一方、同日までの砂糖生産量は同2.0%増の917万トン(白糖換算)にとどまっている。これは、株出し回数の増加などによりさとうきびの糖度が前年度を下回っているためである。今年度の最終的なさとうきび生産量は9109万トン(前年度比7.0%減)と予測され、前月から238万トン下方修正された。この下方修正は、前年の降雨不足の影響を受け、単収が当初見込みを下回っているためである。さとうきび生産量の下方修正を受け、砂糖生産量は前月予測を50万トン下回る956万トン(粗糖換算、同11.8%減)と、前年度からかなりの程度減少するとみられている。
【貿易・政策動向等】
減産により輸出量は前年度比16.2%減の見込み
2012/13年度の砂糖消費量は前年度からやや増加し、305万トン(粗糖換算、前年度比3.3%増)と見込まれている。生産量の下方修正を受け、輸出量は前月予測を50万トン下回る652万トン(粗糖換算、同16.2%減)と、前年度から大幅な減少が予測されている。2013年1月の粗糖・白糖輸出量は前年同月比20.9%減の41万8000トンとなり、主要輸出先はインドネシア、日本、カンボジアなどのアジア諸国であった。
資料:LMC “Monthly Sugar Report, March 2013”
豪州
【生産見通し】
砂糖生産量は前年度比15.3%増の見込み
2012/13砂糖年度(7月〜翌6月)の生産は既に終了した。今年度のさとうきび生産量は、作付けが拡大した上、単収も増加したことから3040万トン(前年度比8.7%増)に増加したとみられている。さらに糖度も上昇したことから、砂糖生産量は435万トン(粗糖換算、同15.3%増)に増加し、3年ぶりに400万トンを上回るとみられている。
豪州農業資源経済科学局(ABARES)は、3月上旬に2013/14年度の生産量予測を公表した。これによると、同年度の砂糖生産量は454万トン(粗糖換算)と見込まれ、2012/13年度に引き続き増産が予測されている。なお、1月下旬に発生したサイクロンオズワルドは、主産地クイーンズランド州に大雨、洪水の被害をもたらしたものの、さとうきびへの被害は限定的とみられている。
【貿易・政策動向等】
輸出量は前年度から大幅増加の見通し
2012/13年度の砂糖消費量は105万トン(粗糖換算、前年度比1.3%増)に増加すると予測されている。増産が見込まれることから、輸出量は334万トン(粗糖換算、同22.7%増)と、前年度から大幅増加の見通しとなっている。
資料:LMC “Monthly Sugar Report, March 2013”
南アフリアカ
【生産見通し】
砂糖生産量は前年度比6.3%増の見込み
2012/13砂糖年度(7月〜翌6月)の生産は既に終了した。当初、今年度の生産は干ばつ被害を受けた前年度から大幅な増加が見込まれていたものの、悪天候などの影響により生産量予測はたびたび下方修正され、最終的なさとうきび生産量は1728万トン(前年度比2.8%増)、砂糖生産量は211万トン(粗糖換算、同6.3%増)にとどまった。
2013/14年度は、現時点ではさとうきびの生育状況が良好であり、単収の増加が見込まれることから、砂糖生産量は240万トン前後の水準に回復するとみられている。
【貿易・政策動向等】
輸出量は36万トンにとどまる見通し
2012/13年度の砂糖消費量は前年度からわずかに増加し、192万トン(粗糖換算、前年度比2.0%増)と見込まれている。輸出量は36万トン(粗糖換算、同37.4%増)に増加すると予測されているものの、2009/10年度以前と比べると、依然として低水準である。2012年12月における粗糖・白糖輸出量は前年同月比2.1倍の2万3000トンとなり、主要輸出先はナミビア、モザンビーク、ジンバブエであった。
資料:LMC “Monthly Sugar Report, March 2013”
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