年頭のごあいさつ
最終更新日:2014年1月10日
年頭のごあいさつ
2014年1月
独立行政法人農畜産業振興機構 理事長 佐藤 純二
謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
当機構の業務につきまして、旧年中は皆様方のご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
昨年一年間を振り返りますと、てん菜については、作付面積が減少する中、春先の長雨や低温による播種・定植作業の遅れ、夏期の干ばつなどの影響により、平成25年産の生産量および単収ともに昨年産を下回る見込みとなっています。
サトウキビでは、2年連続の不作を受け、平成25年産においては、春先より、生産者、JA、製糖事業者、研究機関、行政機関の各関係者の皆様が一丸となって生産回復に取り組まれた結果、5月半ばごろまでは、順調な生育状況で推移しました。しかしその後、6月下旬から2カ月にわたる干ばつに見舞われ、加えて10月には相次ぎ台風が襲来したことから、平成25年産の生産量および単収は、不作であった昨年産を上回るものの、依然として平年を下回る見込みとなっています。
でん粉原料用いもについては、ばれいしょ、かんしょとも作付面積の減少傾向に歯止めがかからず、でん粉工場の安定的な操業に向けて原料供給量の確保が引き続き課題となっています。
また、海外に目を移しますと、砂糖関係では、主要生産国におけるサトウキビの生産が順調であることから、国際粗糖価格は、下落傾向で推移しているものの、1ポンド当たり17セント前後と、依然、高水準となっています。今後、EUをはじめとした各国における砂糖およびエタノール政策、新興国の需要拡大の動向などが、国際砂糖需給にどのように影響を及ぼすのか注目されます。
でん粉関係では、昨年度の干ばつによる米国産トウモロコシの大幅減産の状況から一転して、平成25年度は、米国において過去最高水準の豊作が見込まれ、トウモロコシ価格は1ブッシェル当たり4ドル台にまで低下し、落ち着きを取り戻しています。
当機構は、昨年10月、独立行政法人としての創立10周年を迎えました。この間、飼料価格や原油価格の高騰、口蹄疫などの家畜伝染病や、今もなお復旧復興の途上にある東日本大震災・東京電力福島第一原発事故の発生など、激動の10年間でした。砂糖、でん粉関係では、新たな制度が平成19年10月から開始され、機構として、でん粉関係業務およびサトウキビ生産者の皆様に対する交付金の直接交付に初めて取り組み、国、関係業界の皆様とともに、新制度の定着と安定的運用に腐心してまいりました。
昨年4月からは第3期の中期目標期間がスタートし、農林水産大臣から示された新たな中期目標のもとで、これまで以上に消費者・生産者の視点に立って、業務の質の向上や業務運営の効率化に取り組んでいるところです。 本誌につきましても、昨年10月に、掲載項目および内容を変更し、需給動向に関する情報に重点化した誌面構成といたしました。今後とも、皆様のニーズを踏まえて、求められる情報を適時、適切に提供するよう努めてまいります。
農畜産物の需給状況は今後とも予断を許さず、砂糖、でん粉も例外ではありません。当機構には、我々が生きていく上で、なくてはならない大切な「食」を支える農畜産業・関連産業の皆様を応援し、消費者の皆様への安定的な供給を確保していく役割があります。TPPをはじめとする対外交渉の動向からも目が離せない状況にありますが、サトウキビなどその生産を通じて、地域経済ひいては国土を守っていることに十分意を配る必要があると考えています。
本年も、状況の変化に即応して機動的に、この重要な使命を果たしていきたいと考えております。
引き続き、皆様のご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
本年が皆様にとって希望に満ちた明るい年でありますことをご祈念申し上げ、新年のごあいさつと致します。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713