地域だより
最終更新日:2014年3月19日
「おきなわ花と食のフェスティバル2014」が開催された
2014年3月
那覇事務所 井 悠輔
平成26年2月1日(土)・2日(日)の2日間、那覇市奥武山総合運動公園で、沖縄県の農林水産物の消費拡大と生産振興を図る「おきなわ花と食のフェスティバル2014」(主催:おきなわ花と食のフェスティバル推進本部)が開催された。同フェスティバルは、「地産地消」をテーマに掲げ、沖縄県産の新鮮で良質な青果や肉、魚、花きや野菜など、広く県内外にアピールすることを目的としており、今年で9回目の開催を迎えた。今年は、2日目の午前中は雨天と悪天候にも関わらず、家族連れなど多くの人でにぎわっており、来場者は約14万5000人となった。
糖業関係団体は、同フェスティバルにサーターヤー(沖縄の方言で製糖場)として出展し、その中で、日本分蜜糖工業会と当機構那覇事務所は、砂糖に関する知識の情報発信、沖縄県黒砂糖協同組合などは、黒糖の製造・試食と沖縄県産黒糖の販売を行った。
本稿は、サーターヤーの取り組みを中心に紹介する。
開会式
同フェスティバルは、初日の9時30分に沖縄県の高良倉吉副知事、同推進本部長を務めるJAおきなわの砂川博紀代表理事理事長ら関係者のテープカットで開幕した。
開会式で、高良副知事は、「冬場の沖縄を代表するイベントになっている。食材を堪能してもらい、地産地消の機運が高まることを期待したい」とあいさつした。
また、砂川代表理事理事長は、「食に関する情報の発信の場となり、沖縄の食文化の推進を期待したい」とあいさつした。
沖縄県農林漁業賞表彰式
同フェスティバルのイベントの一つとして沖縄県農林漁業賞の表彰式が催された。同賞は、農産部門、園芸部門、畜産部門、土地改良部門、林業部門、漁業部門、農山漁村地域活性化部門の7部門について、経営改善、技術の近代化などで模範となる成果を上げた農林漁業者と農林漁業生産集団に贈られる。今回は、7人と6団体が表彰された。
農産部門では、宮古島のサトウキビ生産農家である勝連栄一氏が受賞した。勝連氏は優良種苗植え付けによる発芽率の向上、肥培管理の徹底などにより、毎年高い生産量を実現しており、平成25年4月に行われた「第37回沖縄県さとうきび競作会表彰式」では、農林水産大臣賞を受賞している。
砂糖に関する知識の情報発信
当機構那覇事務所は、日本分蜜糖工業会とともに、砂糖制度に関する情報の提供として、砂糖に関するパンフレットおよびスティックシュガーの配布や、砂糖の魅力や栄養に関する動画視聴、消費者向けパネル、各種砂糖のサンプルやサトウキビ・てん菜の模型の展示を行った。また、今回は、サトウキビ生産や製糖工場に関する写真の展示を行い、来場者にサトウキビ・砂糖に関してより身近に感じていただくことを目的とした取り組みを行った。
来場者に話を伺ったところ、「実際に多くの種類の砂糖が見られたので分かりやすかった」と言った声や、「砂糖について意外と知らないことが多く、今までより興味を持つことができた」と言った声が上がっていた。
黒糖の製造・試食と沖縄県産黒糖の販売
沖縄県黒砂糖協同組合が中心となり、JAおきなわ、沖縄県、社団法人沖縄県糖業振興協会などの協力で、サーターヤーで、サトウキビを搾り、搾り汁を大きな鍋で煮て黒糖の製造を行った。製造した黒糖と水分を飛ばして黒糖にする前のあめは、来場者に試食提供を行った。
ブース周辺は、黒糖の甘い香りが立ち込め、多くの来場者で賑わっていた。また、ブースを訪れら子供たちは、サトウキビを手にとったり、簡易圧搾機での圧搾を体験したりと普段行えない体験に目を輝かせていた。
黒糖の製造・試食に加え、沖縄県で製造されている黒糖の販売が行われた。現在、沖縄県内では、八つの島で黒糖が製造されていることから「原材料はさとうきび 八つの島の八つの黒糖」をキャッチフレーズに、黒糖の販売が行われた。黒糖は島ごとに風味が異なることから、自分の好みに合う黒糖を試食しながら探す来場者の姿が印象的であった。
おわりに
沖縄県はサトウキビの生産県であることから、砂糖に関して関心が強い来場者が多くブースを訪れていた。一方で、本フェスティバルが開催された那覇市は都市化が進み、サトウキビや製糖について認識の薄い来場者も見受けられた。今回の出展をきっかけに、沖縄県の基幹産業であるサトウキビに対して少しでも興味を持っていただけたら幸いである。
今後も、このようなイベントを通じ、一人でも多くの方に砂糖に関心を持ってもらえるよう、分かりやすい情報提供を心掛けたい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713