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地域だより

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最終更新日:2014年9月9日

日本甘蔗糖技術者会議(JSSCT)第8回講演会の開催について

2014年9月

那覇事務所 青木 敬太

 平成26年8月19日(火)に那覇市の沖縄産業支援センターにおいて、日本甘蔗糖技術者会議(JSSCT)の第8回講演会(主催:沖縄県農業研究センター)が開催された。

  同講演会は、沖縄県農業研究センターをはじめ、サトウキビ研究者が日頃の研究成果を発表し、営農活動や病害虫対策の技術向上を図ることを目的に、毎年開催されている。8回目を迎える今年の講演会には、糖業関係者、学識経験者、行政関係者、サトウキビ生産者など約60名が参加した。

 本講演会では、諸外国におけるサトウキビ生産の取り組み状況や研究事情など、7組の講演者から研究成果が発表された。タイの洪水や干ばつなど、気象によるサトウキビへの影響といった各国特有の事情も織り込んだ詳細な現地調査報告が行われ、また、サトウキビ系譜のデータベース化の手法などの研究報告もあり、発表内容は多岐にわたるものとなった。各発表後の質疑応答においても、参加者からは積極的な質問があり、活発な議論が繰り広げられた。

  本講演会の発表内容は下記のとおりである。

1)2013年国際甘蔗糖技術者会議(ISSCT)第28回サンパウロ大会に参加して
   琉球大学 上野正実氏、渡邉健太氏 他

2)タイのサトウキビ産業の現状と課題 −特に洪水と干ばつについて−
   琉球大学 T.Jaiphong氏 他

3)琉球弧の気候とサトウキビ茎伸長の特徴
  −気象感応試験と世界のサトウキビ産地の気象から−

   鹿児島県農業開発総合センター 佐藤光徳氏

4)フィジーのサトウキビ産業と変革に向けた取り組み
  −島国でのサトウキビの位置づけ、生産性向上と高度利用に向けた育種−

   沖縄県農業研究センター 伊禮信氏

5)オーストラリアにおけるサトウキビ研究事情
  −選抜の効率化、出穂誘導、黒穂病抵抗性強化への取り組み−

   国際農林水産業研究センター熱帯・島興研究拠点 寺島義文氏
   沖縄県農業研究センター 伊禮信氏、内藤孝氏

6)統計ソフトRを用いたサトウキビ系譜のデータベース化
   九州沖縄農業研究センター 樽本佑助氏 他

7)沖縄県内各地におけるサトウキビ栽培の実情と増産に向けて
   島袋正樹氏 他

  最後に、翌年度以降もこの会議を継続し、サトウキビ生産の振興に寄与していきたいという、沖縄県農業研究センター伊禮信氏の言葉とともに本講演会が締めくくられた。

 今回の講演のなかで、「各国さまざまな環境の相違があり、それぞれの地域にあった品種を選ぶことがサトウキビの生産性を高めるカギである」という旨の発言があった。また、サトウキビ生産の振興のためには、視野を広くもった研究が不可欠であることを強く印象付けるものとなった。これらの研究成果が現場に普及し、さらなるサトウキビの増産につながっていくことを期待したい。
 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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