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地域だより

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最終更新日:2014年11月11日

平成26年度砂糖の出前講座を札幌市で開催

2014年11月

札幌事務所 所長 石井 稔
所長補佐 坂上 大樹

 当機構では、砂糖の価格調整制度の周知・浸透を図る取り組みとして、砂糖について「より詳しく知りたい」と関心を寄せる消費者団体などに当機構の職員が出向いて講義などを行う「砂糖の出前講座」を実施している。

 平成26年10月16日(木)に北海道札幌市のコープさっぽろにおいて出前講座を開催した。

 受講生は、コープさっぽろ札幌西地区の委員で、日頃から地区のリーダーとして傘下の組合員に対し食に関する指導を行っている。

 本講座では、当機構特産調整部の一丸忠生課長代理が砂糖の価格調整制度の概要を説明するとともに、外部講師としてお招きした精糖工業会アドバイザー斎藤祥治氏による「砂糖の正しい知識」を内容とする講義および実験を行った。

日本の砂糖を支える仕組み 〜砂糖の価格調整制度の紹介〜

 一丸課長代理から、スライドやパンフレットを使い、食料自給率が年々減少している状況や砂糖自給率の推移、砂糖消費量の推移などの概要やわが国は輸入に頼った状況であることを説明した。

 また、 1)北海道のてん菜や鹿児島県および沖縄県のサトウキビに関わる産業が、その地域の経済や雇用に大変重要であること 2)砂糖には大きな内外価格差があり、その調整を図る必要があること 3)農業所得の確保や国内産糖の安定的な供給を図るために「砂糖の価格調整制度」が存在していること―について、参加者に対し分かりやすい解説を行った。
 

砂糖の正しい知識 〜原料糖の脱色実験および砂糖に関する講義〜

 斎藤氏による原料糖の脱色実験が行われ、粒状活性炭やイオン交換樹脂を使用して原料糖を水に溶解した原料糖液の不純物を取り除き、無色透明な砂糖液ができるまでのろ過工程が実演された。また、「砂糖について ―製法と用途並びにその特性―」と題しての講義が行われた。その中で、斎藤氏は、着色成分は砂糖とは別ものであることを、精製糖やてん菜糖の製造工程を基に解説した。この他にも砂糖の化学や歴史、体内での糖質の消化と吸収などについても幅広く解説した。
 
 
 講義終了後に、受講生を対象にアンケートを実施した。受講生からは「わが国の砂糖の生産が国からの制度によって守られていることを初めて知った。とても大切な制度であると認識した」との価格調整制度に対する理解の醸成が図られた意見が数多く出された他、「北海道で栽培されているてん菜がどのような工程を経て、砂糖となるのか理解できた」「普段、何気なく使っている砂糖が複雑な工程を経て製造されていることに驚いた」「製造工程を間近に観察でき、知識が広がった」などの感想が寄せられた。

 今回の出前講座で紹介した砂糖の価格調整制度や砂糖の正しい知識が、今後のコープさっぽろ組合員の食育の一助となることを期待したい。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713