地域だより
最終更新日:2015年2月4日
翔南製糖(株)で平成26年産の製糖が開始された
2015年2月
平成27年1月15日(木)、翔南製糖株式会社は、平成26年産の製糖を開始した。製糖期間は同日から3月25日(水)までの70日間の予定である。
製糖の開始に当たり、多数の関係者が集まり、「さとうきび搬入開始式」が行われた。はじめに、同社の仲里源勇代表取締役社長から「夏場の生育旺盛期には適度な降雨があり、7月の上旬までは順調に生育してきたが、台風8号、19号がその後の生育に悪影響を及ぼした。特に、台風19号は暴風域が広く、暴風が広範囲に吹き荒れたことから、塩害が広範囲に及び、梢頭部が枯れ上がった状態が見られた。しかし、台風通過後は回復も早く、現段階では基準糖度帯を上回るものと期待している。本日より70日間の連続操業となるが、生産農家が日々丹精を込めて栽培した原料を無駄にすることなく、操業を行いたい。さとうきび生産の関係者が結束し、無事故、無災害で本製糖期が終了できるよう共に頑張ってまいりましょう」とあいさつがあった。
次に、沖縄県豊見城市の宜保晴毅市長から「今後とも生産基盤の強化や農業機械の導入をはじめ、耕作放棄地の有効活用や農地の流動化に向けた取り組みなど地域の実情に適した対策に努めていきたい。関係各者におかれまして本年が豊作の年、安全操業の一年でありますよう心よりお祈り申し上げます」と祝辞があった。
続いて、沖縄県南部トラック事業協同組合の安次富幸勝理事長によって、26年産初のさとうきびを積載した秤量所のトラックに運搬の安全祈願が行われた。
会場の後方では、さとうきびを満載した多数の5トントラックが列をなして搬入を待っていた。工場へ1日に運ばれるさとうきびの量は1300トン、今期の車両延べ台数は1日当たり270〜280台となると見込んでいる。
最後に、当事務所の天野寿朗所長から「今後もさとうきびの生産振興・増産を引き続きお願いするとともに、生産回復傾向が続くことを願う。また、当機構としては、沖縄のさとうきび・製糖業が地域経済への波及効果のみならず、国民の食料供給への貢献、また国土保全上、日本全体にとっても大変重要な役割を担っていることを今後も周知していきたい。今年産のさとうきび収穫や工場の操業、また、原料の運搬や製品の輸送に携わる皆さま方の安全と、さとうきび・製糖業および関連産業のますますのご発展と皆さま方のご健勝を祈念したい」と、製糖開始に当たって祝いの言葉を贈り、乾杯の後、26年産のさとうきびの搬入が始まった。
なお、管内のさとうきび収穫面積は1586ヘクタール(前期比103.3%)であり、搬入量は9万トン(同106.5%)、産糖量は1万700トン(同107.0%)を見込んでいる。また、沖縄県における26年産のさとうきび生産量(分みつ糖向け)については、約67万トン(同106.6%)が見込まれる。
さとうきび生産は台風や病害虫被害などによる記録的な不作となった23年産から関係各者の取り組みにより、生産量回復に向け着実に成果を上げている。今後のさらなるさとうきびの増産に期待したい。
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