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地域だより

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最終更新日:2015年2月17日

「おきなわ花と食のフェスティバル2015」が開催された

2015年2月

那覇事務所

 平成27年1月31日(土)・2月1日(日)の2日間、那覇市奥武山総合運動公園で、沖縄県の農林水産物の消費拡大と生産振興を図る「おきなわ花と食のフェスティバル2015」(主催:おきなわ花と食のフェスティバル推進本部)が開催された。今年で10回目を迎えた同フェスティバルは、「てぃだサンサン食べたらがんじゅう沖縄産!(注1)」をキャッチフレーズに、沖縄県産の青果や肉、魚、それらの加工品などの試食販売、花きの販売を通して、地産地消の推進を目的に開催されている。今年は、1日目が非常に寒く来場者数への影響が心配されたものの、家族連れなど多くの人でにぎわっており、来場者は2日間で約12万人となった。

 糖業関係団体は、同フェスティバルにサーターヤー(注2)として出展し、その中で、日本分蜜糖工業会と当事務所は、砂糖に関する知識の情報発信、沖縄県黒砂糖協同組合などは、黒糖の製造・試食と沖縄県産黒糖の販売を行った。 

 本稿は、サーターヤーの取り組みを中心に紹介する。

(注1) 沖縄の方言。意味は「太陽サンサン食べて元気沖縄産」
(注2) 沖縄の方言。意味は「製糖場」

1.開会式

 同フェスティバルは、初日の9時30分に沖縄県の浦崎唯昭副知事、同推進本部長を務めるJAおきなわの砂川博紀代表理事理事長ら関係者のテープカットで開幕した。

 開会式で、砂川代表理事理事長は、「安全・安心・新鮮な沖縄らしい食文化の再発見の機会になることを願う」とあいさつした。また、浦崎副知事は、「日本一早い春を告げるイベントになっている。県産食材の振興を期待したい」とあいさつした。
 

2.「沖縄県農林漁業賞」表彰式および「沖縄、ふるさと百選」認定証交付式

 同フェスティバルのイベントの一つとして「沖縄県農林漁業賞」表彰式および「沖縄、ふるさと百選」認定証交付式が催された。「沖縄県農林漁業賞」は経営改善、技術の近代化などで模範となる成果を上げた農林漁業者と農林漁業生産集団に贈られ、農産部門、園芸部門、畜産部門、土地改良部門、林業部門、漁業部門、農山漁村地域活性化部門の7部門があり、今回は、7人と6団体が表彰された。また、「沖縄、ふるさと百選」は農林水産業で魅力ある地域づくりに取り組む団体に贈られ、集落部門3団体と交流部門2団体が新たに認定された。

 「沖縄県農林漁業賞」の農産部門では、沖縄本島中部うるま市のさとうきび生産農家である金城靜光氏が受賞した。金城氏は、自身のさとうきび栽培に力を入れるだけでなく、講演などを通して、地域のさとうきび生産者への技術の伝承にも力を入れている。
 
 

3.砂糖に関する知識の情報発信

 当事務所は、日本分蜜糖工業会とともに、砂糖制度に関する情報の提供として、砂糖に関するパンフレットおよびアンケート回答者へのスティックシュガーの配布や、砂糖の魅力や栄養に関する動画視聴、消費者向けパネル、各種砂糖のサンプルやさとうきび・てん菜の模型の展示、さとうきび生産や製糖工場に関する写真の展示を行った。また、ルーペを使い砂糖の結晶をのぞいてもらうことで、砂糖の結晶が透明であることを体感いただいた。

 来場者に話を伺ったところ、「砂糖の結晶がとてもきれいで驚いた」「砂糖について新たな発見ができた」といった声が上がっていた。
 
 

4.黒糖の製造・試食と沖縄県産黒糖の販売

 沖縄県黒砂糖協同組合が中心となり、JAおきなわ、沖縄県、公益社団法人沖縄県糖業振興協会などの協力で、サーターヤーで、さとうきびを搾り、搾り汁を大きな鍋で煮て黒糖の製造を行った。 

 ブース周辺は、黒糖の甘い香りが立ち込め、多くの来場者でにぎわっていた。会場が那覇市ということで初めてさとうきびを見たという子供も多く、さとうきびの大きさに驚いたり、楽しそうに簡易圧搾機での圧搾を体験したりする姿が印象的であった。また、本土からの観光客も多く、さとうきびをかじりたいという声にも応えていた。 

 黒糖の製造・試食に加え、沖縄県で製造されている黒糖の販売が行われた。現在、沖縄県内では、八つの島で黒糖が製造されていることから「原材料はさとうきび 八つの島の八つの黒糖」をキャッチフレーズに、黒糖の販売が行われた。また、黒糖を使った、お菓子や飲料の試食も行っており、多くの来場者が足を止めていた。
 
 

おわりに

 沖縄県はさとうきびの生産県であることから、砂糖への関心が強い来場者が多くブースを訪れていた。来場者にアンケートや話を伺うと、さとうきびが日本の農業にとって重要だという意識が強い一方で、砂糖は漂白しているなどといった誤ったイメージを持つ方も多いことが感じられた。しかし、実際に砂糖の結晶を見るなど体感することによって、砂糖に対するイメージが変わったという方も多かった。

 今後も、このようなイベントを通じ、一人でも多くの方に砂糖に関する正しい知識を深めていただけるよう、分かりやすい情報提供を心掛けたい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713