札幌事務所 所長 石井 稔
一般社団法人北海道てん菜協会(以下「てん菜協会」という)の主催による「高品質てん菜づくり講習会」が芽室町、美幌町、洞爺湖町、美瑛町の会場にて、てん菜生産者、糖業者、JAおよび市町村関係者などを対象として開催され、4会場で延べ約940人が参加した。本講習会は、生産者が高品質で安定したてん菜生産を目指し、一層の栽培技術向上に寄与することを目的として毎年2月に開催されているものである。昨年に引き続き、当事務所では、砂糖の価格調整制度の周知を図るため、てん菜協会の協力を得て、価格調整制度の理解を促進するために当機構で作成した当該制度の内容を記載したメモ帳を参加者全員に配布した。
本稿では、2月4日(水)に開催された芽室町での講習会の概要を報告する。
開会に当たり、てん菜協会の辻副会長は、「平成26年産のてん菜の生育状況について、4月28日から29日にかけての凍霜害や8月の台風による被害はあったものの全道的には、1ヘクタール当たりの収量は62トン、根中糖分については17.2%と、昨年よりも良い生産状況となっている。全道の作付面積については、微増ながら回復している地域と依然として減少傾向となっている地域がある中で、6万6000ヘクタールの指標面積には、到達していない状況にある。平成27年産の作付面積確保に向けて関係機関と緊密に連携しながら、てん菜の生産拡大に向けた取り組みを実施することとしたい。また、昨今、十勝地域において、西部萎黄病がまん延している状況を鑑みて、主な要因について関係者と協議した結果、ビニールハウスの中でアブラムシが越冬している可能性が高いため、ハウス内を除草するなどの環境整備を講じる必要がある」と述べた後、今後のてん菜協会が行う活動への理解と協力を求めた。次いで、長年にわたり原料てん菜立ち会い業務に従事し、取引の円滑な推進に貢献された方に対する表彰が行われ、辻副会長から表彰状および記念品が贈呈された。