砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 地域だより > 地域だより

地域だより

印刷ページ

最終更新日:2015年6月22日

徳之島さとうきび生産振興大会の開催

2015年6月

鹿児島事務所 所長 真弓 正展

 平成27年5月24日(日)、鹿児島県大島郡天城町の天城小学校体育館において、徳之島さとうきび生産振興大会(主催:徳之島さとうきび生産対策本部、南西糖業株式会社、共催:奄美群島糖業振興会、あまみ農業協同組合、徳之島きび輸送事業協同組合、南大島農業共済組合、以下「生産振興大会」という)が開催された。

 生産振興大会には、徳之島3町の生産農家、糖業関係者、JAおよび行政関係者など約400名が参加した。
 
 徳之島における平成26/27年期のさとうきび・甘しゃ糖の生産は、10月に相次いで襲来した台風18号、19号やメイチュウなどの被害の影響で、10アール当たりの収量が過去3番目に低い4.2トンと低迷し、南西糖業株式会社の原料処理量は、当初見込みの17万5091トンを大幅に下回る、14万9637トンにとどまり、産糖量も1万8606トンと4期連続2万トンを切る厳しい状況が続いている。

 こうした年を終えて、当日の大会では、徳之島さとうきび生産対策本部長の高岡秀規徳之島町長が「今年こそは生産量が回復すると思っていたが、天候の影響でまた不作となってしまった。収穫面積拡大だけではなく、これからは単収向上対策が重要となってくる。担い手を育て、さとうきびを中心に農業で夢をかなえる島にしよう。」と力強く生産者に呼び掛けた。
 
 
 また、来賓のあいさつとして禧久(きく) 伸一郎鹿児島県議会議員、鹿児島県大島支庁の東洋行農林水産部長に続いて、当機構の薄井久雄総括理事から「最近のさとうきび生産は自然災害などの影響により厳しい状況にある。地域の砂糖関連産業において生産者と製糖工場は車の両輪の関係にあり、地域一体となった関係者の皆さま方の取り組みにより、徳之島におけるさとうきびの増産と地域経済の一層の活性化につながることを期待したい。」との応援メッセージを送った。
 
 続いて、南西糖業株式会社の田村順一代表取締役社長から今期製糖の経過報告があった。田村社長は、過去50年のさとうきび生産の推移を示し「4期連続の不作で、当社は経営の岐路に立っている。徳之島はさとうきびを20万トン生産できる力がある。再構築できる日を待とうと決断した。」と、現在の2工場体制を維持する方針を示した。加えて徳之島ダムの通水による生産性の向上への期待を示し、生産者へ面積の拡大と単収の向上を要望した。
 
 優秀農家などの表彰に続き、鹿児島県農業開発総合センター大島支場の嶽崎研究専門員より「メイチュウ対策について」、また全国で唯一「サトウキビ学」を選択科目として設置している鹿児島県立徳之島高等学校総合学科生物生産系列の生徒より「サトウキビ畑におけるイノシシ被害とその対策について」と題した講演が行われた。
 
 
 最後に、大会スローガンが宣言され、関係者一体となって生産回復に向けて取り組んでいくことを確認し、JAあまみ徳之島事業本部の窪田博州専務理事のあいさつをもって閉会となった。

【大会スローガン宣言】
発声:南郷 龍王(徳之島町農家代表)

● 夏植の植付で、さとうきびの面積を拡大しよう。
● さとうきびの増産で経済の活性化を図ろう。
● 徳之島の生命、さとうきびを守ろう。
● きび共済加入率50パーセント以上達成をみんなで取り組もう。
● 島の宝、さとうきび、あなたの1本から増やしていこう。
 
 今回の生産振興大会に参加された生産者および関係者の真剣な表情や力強い大会スローガンの宣言を見ると、さとうきび20万トン生産は、達成できるものと期待される。当機構としても目標達成に向けて、生産農家の方々が安心してさとうきびを作ることができるよう、今後も交付金の交付業務の適切な運営に努めてまいりたい。

 なお、会場では当機構が作成した、鹿児島県南西諸島において砂糖産業が成り立つことは砂糖の供給基地として重要であるばかりでなく、領海を含む国土を守ることに大きく貢献していることを解説したパネルなどを掲示し、砂糖の価格調整制度の周知・浸透に取り組んだ。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713