砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 地域だより > 地域だより

地域だより

印刷ページ

最終更新日:2015年7月17日

さとうきび雑草防除講演会及び現場実習について

2015年7月

那覇事務所 青木 敬太

 平成27年7月2日(木)、沖縄本島南部の南城市にて、南部地区さとうきび生産振興対策協議会(以下「対策協議会」という)主催で、さとうきび雑草防除講演会および現場実習が行われた。今回の講演会は、雑草対策を適切な時期に適切な量の薬剤を使用して行うことによって、さとうきびの生育を促し、単収向上につながることを実証ほ場での比較やデータから生産者に実感してもらうことを目的として開催された。講演会および現場実習には、南部地区のさとうきび生産者を中心に、JA、製糖企業、行政などのさとうきび関係者約70名が参加した。

1 講演会

 講演会はJAおきなわの玉城支店で開催された。琉球産経株式会社の末吉氏を講師に迎え、「さとうきび雑草防除」という題目で栽培時期ごとの除草方法について講演が行われた。

 講演では、生育時期に合わせた薬剤の使い分けや薬剤の希釈率、薬剤散布の細かい注意点など、使用上の指導があった。薬剤によっては、生育初期によく効果が表れるものもあれば、効果が表れるまでに時間がかかるものもある。効果がないからといって、さらに薬剤を追加投与し、さとうきびに害を与えてしまうことについても注意があった。
 
 続いて、対策協議会の當眞事務局長から雑草対策のポイントについて以下のとおり説明があった。

(1)除草剤の種類によって、使用時期に注意をする。
(2)薬剤の種類によって効果がある雑草は異なるため、使用するほ場に発生している雑草の種類を見極めて、効果のある薬剤を選ぶ。
(3)土壌処理剤と茎葉処理剤を上手く併用することによって、既に発生している雑草、これから発生する雑草を処理することができる。
 

2 現場実習

 現場実習は、南城市糸数の実証ほ場で行われた。実証ほ場での説明は、春植えを行ったさとうきびが発芽し、ある程度雑草が発生した6月に、さまざまな除草剤を散布し、約3週間後の効果を比較するものであった。除草剤の組み合わせは、無処理区を含め、畝ごとに15パターン用意され、「除草剤のみ」「除草剤+展着剤(除草剤の効き目を良くするもの)」「複数の除草剤の使用」など多岐にわたっていた。
 さまざまな組み合わせの結果、さとうきびが成長する前の栽培時期の早い段階で薬剤を使用することで、効果的に薬剤の効果を得ることができ、また、薬剤の使用量も少なくて済むことが改めて確認できた。
 除草作業について活発な意見交換を行う生産者の姿が見られた。
 
 
 参加者からは、「さまざまな除草剤の効果が目に見えて分かり、非常に参考になった」という声が上がっていた。今回の講演会などに参加した生産者からは、単収向上を達成するために1つでも参考にできる情報を得ようといった真剣な姿勢をうかがうことができた。今回の講演会の効果が来期の製糖期に表れ、さとうきびがさらなる増産に向かうことを期待したい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713