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地域だより

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最終更新日:2015年9月3日

平成27年度第1回さとうきび種苗対策連絡会議の開催について

2015年9月

那覇事務所 岡 久季

 平成27年8月3日(月)〜4日(火)、沖縄総合事務局農林水産部生産振興課の主催で平成27年度第1回さとうきび種苗対策連絡会議が開催された。

 本会議は、沖縄県内におけるさとうきびの原原種苗の生産・配布計画や需給動向について、独立行政法人種苗管理センター沖縄農場(以下「種苗管理センター」という)や沖縄県農林水産部糖業農産課(以下「沖縄県」という)をはじめとし、地域の製糖工場や自治体の担当者などが一堂に会して情報交換を行うものである。今回は久米島町のイーフ情報プラザにて開催され、約20名の関係者が初日の報告会と2日目の現地視察に参加した。

(1)報告会

 初日の報告会では、初めに、種苗管理センターと沖縄県から27年度夏植え用原原種苗の配布に関して各市町村から要望されている品種ごとの数量と、配布を計画している数量について報告があった。一部の品種では要望と計画に過不足のギャップが生じているため、各市町村の個別の意向を踏まえて調整を行い、計画を策定する旨の説明があった。

 次に、各市町村からの要望(更新計画)が平成30年度までまとめられている今後のさとうきびの原原種苗の需給見通しについての報告があった。その集計結果によると農林8号、農林15号、農林21号、農林25号、農林27号といった品種への需要が高いものとなっている。

 これらの他、開催地である久米島町での品種構成状況や、サトウキビモザイク病やサトウキビわい化病の対策についてなど、関係機関からの情報提供があった。
 

(2)現地視察

 2日目は、久米島製糖株式会社が保有する原種ほ場や実験農場、一般ほ場での現地視察が行われた。

 有限会社球美開発が町から委託を受け管理している原種ほ場で、28年産の植え付けに使用される予定の種苗を栽培していた。品種の割合については地元の生産者の要望を基に、製糖工場と町が調整を行いながら決めている。

 実験農場では、町内で約3分の2のシェアを占める農林21号のほか、同一環境下で県の奨励品種4つと、試験品種7つが栽培されていた。これらは昨年9月下旬に同時に植えられており、地元により適した品種を見いだすため、各品種間での成績比較を行うものである。最近の傾向としては、製糖工場の操業初期における原料さとうきびの糖度が高くなるよう、早期高糖性の品種が求められているとのことであった。

 最後に、サトウキビモザイク病に感染している一般ほ場を視察した。実際に病徴を示している葉を確認した後、対策としては一度感染した株は抜いて抵抗性の高い品種に植え替えをするなどの説明があった。

 各地域の要望に応じた原原種苗を安定的に供給するためにも、今回のように関係団体が直接意見を出し合う場は貴重なものとなっている。これからも生産現場の意向に沿った種苗供給の計画作りを続けていくことが望まれる。
 
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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