地域だより
最終更新日:2016年2月26日
「おきなわ花と食のフェスティバル2016」が開催された
2016年2月
平成28年2月6日(土)、7日(日)の2日間、那覇市奥武山総合運動公園で、沖縄県の農林水産物の消費拡大と生産振興を図る「おきなわ花と食のフェスティバル2016」(主催:おきなわ花と食のフェスティバル推進本部)が開催された。同フェスティバルは、沖縄県産の青果や肉、魚、それらの加工品などの試食販売、花きの販売を通して、地産地消の推進が目的とされており、11回目を迎えた今年は、過去最多の172団体が出展した。1日目の夕方は、雨と強風に見舞われ、来場者数への影響が心配されたものの、翌日は晴天に恵まれ、家族連れなど多くの人でにぎわい、来場者は2日間で約13万人となった。
糖業関係団体は、沖縄の方言で「製糖場」を意味する「サーターヤー」として出展し、その中で、日本分蜜糖工業会と当事務所は、砂糖に関する知識の情報発信、沖縄県黒砂糖協同組合などは、黒糖の製造、試食と沖縄県産黒糖の販売を行った。
本稿は、サーターヤーの取り組みを中心に紹介する。
○開会式
初日の9時30分に沖縄県の浦崎唯昭(いしょう)副知事、同推進本部長を務めるJAおきなわの砂川博紀代表理事理事長ら関係者によるテープカットで開幕した。
開会式で、砂川推進本部長は、「生産者が丹精込めて作った県産農産物、それらを原料とした加工品など食に関する情報が満載である。来場者の皆さんには、安全、安心、新鮮な沖縄らしい食文化の創造、再発見をしていただけると期待している」とあいさつした。また、浦崎副知事は、「沖縄の将来を担う子ども達に、本県の農林水産業の素晴らしさを学んでもらうための体験型企画が多数用意されている。来場者の皆さんには、沖縄の農産物の魅力を存分に堪能してほしい」とあいさつした。
○砂糖に関する知識の情報発信
当事務所は、日本分蜜糖工業会とともに、砂糖制度に関する情報の提供として、砂糖に関するパンフレットおよびアンケート回答者へのスティックシュガーの配布や、砂糖の魅力や栄養に関する動画視聴、消費者向けパネル、各種砂糖のサンプルやサトウキビ・てん菜の模型の展示、サトウキビ生産や製糖工場に関する写真の展示を行った。また、ルーペを使い砂糖の結晶をのぞいてもらうことで、砂糖の結晶が透明であることを体感いただいた。
来場者に話を伺ったところ、「砂糖がどのように製造されているかが理解できて面白かった」といった声や、結晶をのぞいた子ども達からは、「砂糖は白く見えるけれど、結晶が透明で驚いた」といった声が上がっていた。
○黒糖の製造・試食と沖縄県産黒糖の販売
沖縄県黒砂糖協同組合が中心となり、JAおきなわ、沖縄県、公益社団法人沖縄県糖業振興協会などの協力で、サーターヤーで、サトウキビを搾り、搾り汁を大きな鍋で煮て黒糖の製造を行った。
ブース周辺は、黒糖の甘い香りが立ち込め、多くの来場者でにぎわっていた。会場が那覇市ということで初めてサトウキビを見たという子どもも多く、簡易圧搾機での圧搾を体験するコーナーには親子連れの長い列ができていた。また、本土からの観光客も多く、「サトウキビを持ち帰りたい」という声にも応えていた。
黒糖の製造・試食に加え、沖縄県で製造されている黒糖の販売が行われた。現在、沖縄県内では、八つの島で黒糖が製造されていることから「原材料はさとうきび 八つの島の八つの黒糖」をキャッチフレーズに、黒糖の販売が行われた。また、黒糖を使った、お菓子や飲料の試食も行っており、多くの来場者が足を止めていた。
○終わりに
沖縄県はサトウキビの生産県であることから、多くの来場者がブースを訪れ、精製糖の製造過程を示したパネル、グラニュー糖や三温糖などのさまざまな砂糖のサンプルを熱心に眺めていた。黒砂糖と精製糖の製造過程の違いを職員に質問する来場者も多く、砂糖への関心の高さが感じられた。
アンケートによると、サトウキビが沖縄の農業にとって重要だという意識が強い一方で、砂糖は漂白しているなどといった誤ったイメージを持つ方もおり、実際に透明な砂糖の結晶を見ていただいたりと体感してもらうことによって、砂糖に対するイメージが変わったという方も多かった。
今後も、このようなイベントを通じ、一人でも多くの方に砂糖に対して良いイメージを持っていただけるよう、分かりやすい情報提供を心掛けたい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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