(2)食品製造企業における需要動向
ア.使用状況
国内産かんしょでん粉の使用企業数は
表7の通りであった。使用製品分類は菓子、麺類・春雨、水産練製品、片栗粉、糖化製品などであった。
使用理由を見ると、「商品の形成のため(菓子)」「とろみを出すため(菓子)」「耐熱性、調理特性が製品に最適であるため(春雨)」「ばれいしょでん粉と小麦でん粉の中間的な食感を出すため(水産練製品)」「保水材や結着材として(水産練製品)」など、製品の特性を引き出すために使用している事例が多く見られた。また、他のでん粉に対する優位性としては「国内産であること」が最も多く挙げられた。
イ.仕入れ量および仕入れ価格の動向
各年における仕入れ量の動向を見ると、各年ともに「増加」または「横ばい」が多く、「減少」は少なかった(
図9)。増減要因を見ると、「使用製品の製造量の増減」が最も多いが、その他、「コーンスターチから切り替えたため(菓子)」「国内産ばれいしょでん粉から切り替えたため(水産練製品)」といったコスト削減を目的としたものや、「国内産だから(菓子)」といった回答も見られた。
仕入れ価格については、平成21〜24年において「上昇した」と回答した企業が多く見られ、上昇の理由として「他のでん粉の価格の上昇による」が挙げられた。
ウ.品質面および調達面に関する評価
品質面については、多くの企業が「問題ない」とした。平成22、24年に水分含量や色などの品質改善を求める意見が見られたが、25年以降は、いずれの企業も「問題ない」とした。
供給面については、21年に「主産地が鹿児島県であるため物流コストが割高になる」との意見も見られたが、多くの企業が「問題ない」とした。