被験者全体の栄養素摂取量と参照値を
表3に示した。参照値は、日本人の食事摂取基準(2015年版)に示されている18〜29歳女性の該当値である。
エネルギー収支の結果は体重の変化として現れるため、BMIが目標範囲にあることをエネルギー摂取量評価の指標の一つと考えてよい。今回の被験者のエネルギー摂取量は1823±358キロカロリーで、これは、日本人の食事摂取基準(2015年版)に示されている推定エネルギー必要量のうち、身体活動が「ふつう」の人より少ない値であるが、BMIが目標範囲内であることと、BMIの低い被験者が混在していることから、妥当な数値と考えられた。
表中のEAR、RDAはそれぞれ推定平均必要量(当該集団に属する50%の人が必要量を満たすと考えられる摂取量)、推奨量(当該集団に属するほとんどの人〈97〜98%〉が充足する値)であり、栄養素の不足の回避のために設定された指標である。
タンパク質の摂取量については良好であり、エネルギー産生栄養素バランス(総摂取エネルギー量に対するタンパク質、脂質、炭水化物のエネルギー比率)については、脂質がやや多いものの、重篤な過不足は認められなかった。
カルシウム、鉄、レチノール活性当量(ビタミンAとしての働き)、ビタミンCでは不足が認められたが、平成28年度国民健康・栄養調査結果
6)では、20〜29歳女性の摂取量平均値はカルシウム396ミリグラム、鉄6.5ミリグラム、ビタミンA459マイクログラムRE、ビタミンC65ミリグラムであり、若年世代では恒常的に生じている不足であると推察された。
また、食塩相当量は目標量(生活習慣病予防のために、当面の目標として摂取すべき値)を超えているが、平成28年度国民健康・栄養調査結果でも8.5グラムであり、同世代に一般的な数値と判断された。