ホーム > でん粉 > 調査報告 > でん粉原料用かんしょ生産を中心とした営農モデルの確立に向けて
最終更新日:2018年11月9日
ここで、でん粉原料用かんしょの取引について説明すると、他の農作物や焼酎原料用かんしょなどと比べて、はやり廃りによる需要量の変動が少ないこと、形状や大きさの規格が厳しくなく、かんしょの総重量を基に販売額を計算(重量取引)することが特徴となっている。また、その販売価格は、生産者の経営安定を図るために、年度ごとに決定される取引単価と交付金単価から成り、あらかじめ収入の予測を立てやすいという利点もある。これらの特徴から、でん粉原料用かんしょ生産においては、いかに収量を上げるかが経営を左右することになる。
コラム 慶越氏と消費者をつなぐ商品慶越氏が生産するでん粉原料用かんしょで作られたでん粉の一部は、健康食品の製造・販売を手掛ける鹿児島県の会社によって、コシの強さが特徴の「冷麺」の麺の原料として使われ、日本各地の焼き肉店などに卸されているほか、鹿児島市内のアンテナショップなどでも市販されている(写真3)。平成29年12月、産地から消費者に届けられるまでに携わる人々の思いなどを紹介する民放の全国放送のテレビ番組の中で、慶越氏の取り組みが取り上げられた。番組の最後には、焼き肉店で冷麺を注文した客と慶越氏がインターネット中継で会話する場面があり、客からの「おいしい冷麺をありがとうございます」というコメントを聞いて、慶越氏も顔をほころばせていた。 取材を受けて、慶越氏は、「自らが生産したかんしょが、さまざまな過程を経て消費者に届けられる様子を初めて目にし、生産意欲の向上につながった。鹿児島県ならではの食品であるかんしょでん粉のことをもっと消費者の方にも知っていただき、ぜひ食べてもらいたい」と語っている。
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