3. 国際価格の動向
最終更新日:2019年10月10日
3. 国際価格の動向
2019年10月
ニューヨーク粗糖先物相場の動き(8/1〜9/13)
〜徐々に下落し、9月上旬には11セント台を割り込む〜
ニューヨーク粗糖先物相場の2019年8月の推移を見ると(10月限)、2日までは1ポンド当たり12セント(注1)台前半で推移したが、週明けの5日から週半ばにかけては、供給過剰への懸念が再び強まり下落し、7日には同11.34セントとなった(図3)。その後は、売られ過ぎの反動から上昇に転じ、9日は同11.86セントの値を付けた。週明けの12日以降は、短期的な供給過剰の見通しが相場を圧迫するも、長期的には供給不足に転じると予測されることから、同11セント台半ばでのもみ合いが続き、21日は同11.39セントの値を付けた。22日は、ブラジル産砂糖生産量の見通しが下方修正されたほか、中国の購買意欲が高まっているとの観測が相場を押し上げ、同11.58セントまで値を戻した。23日の反落後は続落し、27日はブラジルの通貨レアルが1年ぶりの安値を記録したことで同11.24セントまで値を下げた。28日は、エネルギー価格が上昇したことでバイオエタノール生産が促進される(注2)との予測やレアル高が相場を押し上げ、同11.37セントとなった。29日は、前日にインド政府が2019/20年度に砂糖輸出への補助金を支出すると発表したことを受けて同11.21セントまで下落した。30日は、インドの通貨であるルピー安やレアル安といった為替変動が相場をさらに圧迫し、同11.14セントまで値を下げた。
9月に入っても相場は上昇せず、5日は、インドやタイの砂糖生産量予測が上方修正されたことを受けて、2018年9月以来の安値である同10.97セントとなった。6日は反発し同11.02セントとわずかに値を戻したが、翌日には再び下落に転じ、12日には同10.76セントの値を付けた。13日は、同10.89セントと5営業日ぶりに上昇したものの、同11セント台まで値を戻すことはできなかった。
(注1) 1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注2) 一般に、原油などのエネルギー価格が上昇すると、代替燃料であるバイオエタノールの需要が増加する。バイオエタノールの需要が増加すると、その原料作物(サトウキビ、てん菜、トウモロコシ、キャッサバなど)のバイオエタノール生産への仕向けが増えるため、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の供給が減る方向に作用する。その結果、需給ひっ迫の懸念が強まり、商品相場は上昇する傾向にある。
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