(2)化工でん粉
ア.化工でん粉の用途
化工でん粉の用途を見ると、「スナック菓子・米菓・油菓子・ビスケット類」が26件と最も多く、次いで「和生菓子・洋生菓子」(13件)、「水産練り製品」(12件)となった(図16)。上位4位までは天然でん粉と同じであるが、天然でん粉で1件であった「ソース・たれ・つゆ類」が9件で4位に並んでいる。
種類別に見ると、デキストリンは「スナック菓子・米菓・油菓子・ビスケット類」の用途が最も多く、次いで「アイスクリーム類」、「和生菓子・洋生菓子」となっており、「清涼飲料」はデキストリンのみであった。一方、加工でん粉では「スナック菓子・米菓・油菓子・ビスケット類」は同じで最も多いが、次いで「水産練り製品」、「和菓子・洋生菓子」の順となっている。その他にはいずれも「清涼菓子」や「冷凍食品」が挙げられた。
イ.化工でん粉を使用する商品の数
化工でん粉を使用する1企業当たりの商品数は、デキストリン、加工でん粉ともに「11〜50点」が最も多かった(図17)。101点以上の商品に使用する企業も1〜2割存在し、いずれも幅広い用途に使用されていることが分かる。
ウ.化工でん粉を使用する理由
化工でん粉を使用する理由は、「品質が安定している」が25件と最も多く、次いで「商品の付加価値を高める」(19件)、「天然でん粉の欠点を補う」(17件)となっている(図18)。
種類別に見ると、「品質が安定している」「商品の付加価値を高める」「天然でん粉の欠点を補う」「製造原価(製造コスト)を抑える」「価格が安定している」は加工でん粉が7割以上を占め、安定した品質と価格が評価されていることが分かる。一方、「商品の特性上、他のでん粉では代替できない」「食感を良くする」「色つやを良くする」などはデキストリンのみの回答となっており、商品を特徴付ける用途に多く使われていた。なお、「商品中のカロリーを抑える」はデキストリンのみで、清涼飲料や即席麺などに使用されていた。
エ.仕入量の動向
(ア)直近1年間の仕入量
平成30年度の仕入量は、「5トン以上100トン未満」が31%と最も多く、100トン未満の仕入量が多いのは前年度と同様の傾向である(図19)。
種類別に見ると、どちらの種類も「5トン以上100トン未満」が最も多く、仕入量ごとの割合も大きくは変わらず、「900トン以上」とする企業もそれぞれ1割程度存在した(図20)。
(イ)前年度と比較した仕入量の動向
平成29年度と比較した30年度の仕入量の動向は、どちらの種類も「横ばい」が6割程度と最も多いが、「増加」と「減少」とする企業も一定数見られた(図21)。「増加」と「減少」の要因は「需要の増減」「商品数の増減」が主であり、化工でん粉を用いた商品は入れ替わりが激しい食品群であることがうかがえる。
(ウ)今後の仕入量の見込み
今後の仕入量の見込みは、どちらも「横ばい」が8割程度と最も多く、安定した需要と供給を見込む傾向がうかがえた(図22)。増加するとした業種は、デキストリンが清涼飲料や乳飲料など、加工でん粉は菓子や水産練り製品などの製造業となっており、要因として「需要の増減」「商品数の増減」以外に「他の甘味料から切り替えるため」とした企業もあった。