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DAGASHIで世界を笑顔にする会の取り組み

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最終更新日:2020年11月10日

DAGASHIで世界を笑顔にする会の取り組み

2020年11月

一般社団法人 DAGASHIで世界を笑顔にする会

はじめに

 楽しくて、安くて、おいしい日本の菓子は、世界で大人気です。そんな菓子の原点である「だがし」。日本には、奇跡のような、世界に誇れる“だがし文化”があることに、当会は気付きました。この“だがし文化”を世界に発信する用語は、「DAGASHI」です。

 「DAGASHI」の定義は、日本のお菓子全てであり、お菓子の原点のことを言います。当会では、「DAGASHI」を通じて、子どもたちの笑顔を世界に広げ、世界平和に貢献していくことを目的として、3月12日の「だがしの日」の普及をはじめとしたさまざまな取り組みを行っています。

1.設立期

 2014年11月、当会代表理事の秋山秀行が、フランスのパリおよびナントで開催された日本の文化を発信するイベント"SAMURAI JAPONフランスツアー"に参加し、フランスで日本の菓子の原点である「だがし」を披露しました(写真1)。その時に、世界中の子どもたちが笑顔になる日本のだがしは、世界の奇跡であることに気付き、当会を発足するために、菓子メーカー1社1社を訪問し、全国行脚を行いました。

 2015年4月には、だがしメーカー、おもちゃメーカーなど18社で「DAGASHIで世界を笑顔にする会」発起人会を開催。2015年11月にはフランスのパリおよびナンシーで開催された"SAMURAI JAPONフランスツアー"にだがしメーカー3社で参加しました。

 その後、「だがしの日」を制定することとなり、お菓子の神様を祭る和歌山県の「橘本(きつもと)神社」を訪問しました。前山和範宮司より菓祖・()道間(ぢま)(もり)(こう)(注)の命日である3月12日を頂き、「だがしの日」を日本記念日協会に記念日登録しました(写真2)。「だがしの日」は、「だがしと笑顔の交換日」をキャッチフレーズに活動することを決定しました。

(注)第十一代乗仁天皇は、農業の発展と殖産に尽くされ、田道間守公に命じて不老長寿の霊菓をお求めになりました。公は常世国に渡り、十余年の辛苦のすえ、非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)すなわち「橘」を持ち帰るものの、前年、天皇はすでに崩御されていました。公は、落胆悲涙し、その陵に橘を捧げて命絶えたといいます。その橘が日本で最初に移植されたのが、橘本神社の旧社地「六本樹の丘」です。上代の書にいう「菓子」とは、後世の水菓子、つまり「果物」のことです。平安時代になると、今流の菓子の製造方法が考えだされ、果汁などを用いるようになったとのことです。その後、この菓子の製法が、生活の向上とともに着実に発達し、精巧を極めるに至ったことは言うまでもありません。このように、「菓子」なる語は「果物」に由来します。そして、その果物の頂点に立つ「橘」を遠く海外から輸入したのが、他ならぬ田道間守公です。

 2015年12月には、東京都恩賜上野動物公園(以下「上野動物園」という)において、設立総会が開催されました(写真3)。「だがしの日」である3月12日は、3月11日東日本大震災の翌日ということで、日本人の心と、被災地の子供の笑顔の復活を活動の原点とし、設立総会には東日本大震災で福島県から避難している家族を招待して行われました。

 

 

 

2.「だがしの日」の展開

 3月12日「だがしの日」の認知度を高め、「だがしと笑顔の交換」を全国、世界へと広げています。特に、障がい・貧困や虐待・被災で苦しむ子どもたちを応援し、子どもの笑顔から大人の笑顔へつなげています。

〇第1回だがしの日イベント(2016年3月。1カ所で開催)
 岡山県瀬戸内市で、日本一のだがし売場から氏神神社までの「だがしラリー」「ソフトグライダー大会」を開催しました(写真4)。

〇第2回だがしの日イベント(2017年3月。3カ所で開催)
 瀬戸内市長船、瀬戸内市牛窓(スタンプラリー、昭和初期のだがし博物館)、大阪市東淀川区(大阪成蹊大学学生主催のイベント)で開催し、ちんどん屋、紙芝居の披露も行われました(写真5)。

〇第3回だがしの日イベント(2018年3月。4カ所で開催)
 東日本大震災被災地支援として、宮城県石巻市(被災地での初開催、2ルート700人の園児と「だがしと笑顔の交換」)、岡山市の池田動物園、大阪市東淀川区、東京都東久留米市において開催しました(写真6)。石巻市のイベント開催に当たり、ローマ法王よりメッセージが届きました。

〇第4回だがしの日イベント(2019年3月。18カ所で開催)
 西日本豪雨被災地の子ども支援として、広島県呉市(2カ所)、愛媛県大洲市、岡山県倉敷市真備、香川県高松市、京都三条商店街、瀬戸内市長船、出雲大社、石巻市、池田動物園、大阪市東淀川区、東久留米市、和歌山県海南市、愛知県豊橋市、福岡県久留米市、石川県金沢市、福井県福井市、日本一のだがし売場で開催しました(写真7)。元オリンピック選手(坂本直子選手、重友梨佐選手)が製菓リレーを応援しました。

 

 

 

 

〇第5回だがしの日イベント(2020年3月。210カ所で開催)
 東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨、北海道地震被災地支援として、石巻市内幼稚園、福島県郡山市内幼稚園、熊本県益城町内幼稚園(2カ所)、真備地区内幼稚園(2カ所)、呉市内幼稚園(2カ所)、京都市内児童保育所(140カ所)、熊本市内こども園、高松市内幼稚園(9カ所)、出雲市内学童クラブ(49カ所)、新潟にいつだがしの駅、駄菓子屋いと、大洲ポコペン横丁で開催しました(写真8)。

 全国ロータリークラブ(10クラブ)と協力して、3月12日のイベント「全国被災地こどもDAGASHIリレー」を準備し、オリンピック選手(有森裕子選手、坂本直子選手、中村友梨香選手、重友梨佐選手)、パラリンピック選手(浦田理恵選手、根木慎志選手、春田純選手、信沢用秀選手)他多くのアスリートボランティア参加を取り付けたものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大により、イベント型/幼稚園保育園訪問型から地域応援型(開催予定地の幼稚園、保育園に「紙芝居」「だがし」「だがしトーチ」をプレゼントし、場所や人数などの安全・安心を確保して実施してもらう方式)へ変更し実施しました。

 3月12日に上野動物園にて開催予定だった「笑顔で復興台点火式」は、日本一のだがし売場(岡山県瀬戸内市)で安全・安心を確保し、開催しました(図1)。

 全国被災地こどもDAGASHIリレーは、文化庁より「日本博」の認証と、JOCより「東京2020応援プログラム(復興)」の認証を受けました(図2)。

 

 

 

3.社会貢献活動

 2018年11月には、フランスのパリおよびルマンで開催された日本の文化を発信するイベント“SAMURAI JAPONフランスツアー”に参加し、DAGASHI、紙芝居、ちんどん屋をフランスから世界へ発信しました(写真9)。また、この時の様子はフランスの新聞にも掲載されました(写真10)。

 

 

 

 2019年8月には、国と、零細だがし屋・中小メーカーの橋渡し的存在の必要性から、任意団体から一般社団法人として設立し、設立総会を開催しました(写真11)。

〇看護師の皆さまへのだがしによる支援
 2020年5月には、COVID-19対応の最前線で頑張っておられる看護師の皆さまに「だがし」で支援しました。看護師の皆さまには、当会、神奈川県横浜市間門小放課後キッズクラブ、岡山県瀬戸内市国府小学校ひまわり学童クラブ、兵庫県内小学校からの応援メッセージに子どもの笑顔を添えて、寄贈しました(表、写真12)。
 

 

 

 




〇子どもたちへの支援
 COVID-19により休校となった子どもの居場所「だがしアカデミー」を、2020年5月より毎月第3土曜日に開催しました(写真13)。

 子どもたちにとって学校だけではなく、学校外で学ぶことのできる場が必要です。しかし、ひとり親・生活困窮・不登校など、学校外での学びの機会の少ない子どもがいる現実の中、起業家教育・金銭教育の場の提供、かつ子どもたちの居場所を提供するために、民間教育機関と連携して「だがしアカデミー」を展開していきます。

 2020年8月には、岡山県下「児童養護施設」12施設へだがしを贈呈しました(写真14)。その他、一人親家庭の子どもや孤児に対しても、支援活動を行っています。

 

 

おわりに

 私たちは、だがしと笑顔の交換の日である3月12日「だがしの日」を全国、世界へと広げていきます。

 そして、子どもたちの笑顔で、世界中の争いや差別、偏見のない“1日”を創っていきたいと思っています。

 「誰でも平等に楽しめる」「競争や足の引っ張り合いもなく小さな会社が何十年も作り続けている」という日本独自のだがし文化を世界に発信して世界平和につなげたい…。そういう想いから「DAGASHIで世界を笑顔にする会」は生まれました。

 まずは日本の子どもたち、大人たちに、日本のお菓子は、世界に類を見ない奇跡であり、日本の心の象徴であることを知っていただきたいと思っています。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272