2020年9月18日に公表された第2弾のコロナウイルス食料支援プログラム(CFAP2)に対する米国の農業団体による主な声明は以下の通り。
・アメリカン・ファーム・ビューロー・フェデレーション(AFBF)のデュバル会長
農家や牧場主は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が米国で流行し始めた時、市場の需要が消滅するという状況を目の当たりにした。現在は食料供給への不安は落ち着いているが、米国の農家や牧場主は経済的な困難に苦しんでいる。COVID-19がいつ収束するのかは誰にも分からず、われわれはまだ貿易上の不均衡と悪天候の影響を受け続けている。今回の支援策は、農家や牧場主が生活を維持し、彼らが米国民に食料を提供し続ける頼みの綱である。
・全米肉用牛生産者・ 牛肉協会(NCBA)のイーサン・レーン政府担当責任者
COVID-19の流行により深刻な被害を受けている肉用牛生産者にUSDAが追加支援を提供することを嬉しく思う。初回のCFAPは、COVID-19発生直後の重要な暫定支援として実施された。残念なことに、今春の前例のないサプライチェーンの崩壊と農家全体の経済的混乱によって、肉用牛業界の多くの人々は現在も不安定な状況にある。われわれは、全米の農家と牧場主に追加支援を提供するために休む間もなく働いているトランプ大統領、USDAのパーデュー長官そして政府関係者に感謝している。われわれは、肉用牛生産者を確実に回復させるための適切な支援が提供されるまで、議会と協力して取り組み続ける。
・全米七面鳥協会(NTF)のジョエル・ブランデンベルガー会長
われわれは全米の七面鳥生産者の要望に応えてくれたトランプ大統領とパーデュー長官に感謝している。今回のCFAP2から新たに支援対象として七面鳥が加わったことは、COVID-19による市場の混乱と外食産業による需要の喪失に苦しんでいる七面鳥生産者の困難な状況を認識し、それに応えてくれたものである。CFAP2が始まることを楽しみにしており、今後も七面鳥業界が必要とする支援を提供し続けるように取り組み続ける。
・全米生乳生産者連盟(NMPF)のジム・ムルハン会長兼CEO
CFAP2は、COVID-19の流行による経済的影響に苦しむ多くの家族経営の酪農家を支えることになる。今回の支援策はすべての酪農家の要望に応えるものではないが、今後の秋から冬にかけてのセーフティーネット強化に役立つ。われわれは、次のCOVID-19に関する連邦議会の審議において、農業に関する事項を優先することを連邦議員に要請する。サプライチェーンの崩壊と乳製品の日持ちしにくい性質により、特に酪農家は年間を通して損失を被っている。5年間も続いた乳価の低迷に苦しんできた酪農家は、ようやく乳価が回復する兆しがみられていた矢先に、COVID-19による休業状態に見舞われ、今も経営収支の改善に苦労している。また、USDAが今回の支援策で支払額の上限を撤廃しなかったことは残念である。支払額の上限は、乳価の下落によって深刻な被害を受けている多くの大規模酪農家にとって不公平なものである。
・全米トウモロコシ生産者協会(NCGA)のケビン・ロス会長
2020年は農業にとって厳しい年となっており、われわれはこれから収穫の時期を迎えるが、多くの不透明性が残されている。われわれは強固な基盤を取り戻すべく全力を尽くしているが、われわれだけでは達成できないため、今回の支援策は歓迎すべき一歩である。
今回の新たな支援策について、支援対象となる期間が延長されたことを評価する声が多く、農業団体はおおむね歓迎の意を表しているが、一部ではさらなる支援を求める声もあり、今後の動向が注目される。
【参考:新型コロナウイルス関連情報(米国)】
・米国農務省、新型コロナウイルス感染症に対する農業支援策を発表(海外情報〈令和2年4月28日発〉)
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002685.html
(『砂糖類・でん粉情報』2020年6月号「新型コロナウイルス感染症関連の情報」参照)
・米国農務省は新型コロナウイルス感染症の影響を受けている生産者への支援策の詳細を発表(海外情報〈令和2年5月26日発〉)
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002709.html
・農務省はコロナウイルス食料支援プログラムの対象農作物を追加(海外情報〈令和2年8月21日発〉)
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002762.html
(『砂糖類・でん粉情報』2020年10月号「新型コロナウイルス感染症関連の情報」参照)
(国際調査グループ)