エ.仕入量の動向
(ア)直近1年間の仕入量
令和2年度(4月〜翌3月、以下同じ)の仕入量を種類別に見ると、黒糖は「5トン未満」が半数以上で他よりも極めて多く、他の数量帯は1割に満たない。異性化糖は「500トン未満」が半数以上、次いで「8000トン以上」が2割程度を占めている(図8)。
(イ)前年度と比較した仕入量の動向
令和元年度と比較した2年度の仕入量の動向は、黒糖は「横ばい」が半数で最多となっているものの、「大幅に増加」「大幅に減少」の割合も1割程度見られた。異性化糖は、「横ばい」と「やや減少」が拮抗して高く、「やや減少」と「大幅に減少」を合わせると4割以上の企業で減少となり、前年度調査を1割程度上回った(図9)。
増加の要因は、黒糖においては「需要の増加により商品の出荷数量が増えたため」の回答が最も多く、その他には「新商品を開発したため」「他の甘味料から切り替えたため」などが挙げられ、主にパン類、スナック菓子・米菓・油菓子・ビスケット類などに使用している企業の回答であった。異性化糖においても「需要の増加により商品の出荷数量が増えたため」が大半であり、「他の甘味料から切り替えたため」の回答も見られた。主にはっ酵乳・乳酸菌飲料、乳飲料、清涼飲料などに使用している企業からの回答であった。
減少の要因は、黒糖においては「需要の減少により商品の出荷数量が減ったため」の回答が最も多く、「1商品当たりの含有量を減らしたため」「商品の生産を中止したため」「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大などによる販売数の減少」なども挙げられ、主に和生菓子・洋生菓子、スナック菓子・米菓・油菓子・ビスケット類、キャンディー類・グミ・チューインガムなどに使用している企業が回答していた。異性化糖においても「需要の減少により商品の出荷数量が減ったため」の回答が最も多く、「商品の生産を中止したため」「冷夏の影響」などの回答も見られた。主にパン類、乳飲料、アイスクリーム類、清涼飲料などに使用している企業からの回答であった。
(ウ)今後の仕入量の見込み
今後の仕入量の見込みは、黒糖、異性化糖ともに「横ばい」が6割程度で最多となり、異性化糖では前年度調査の4割強を上回った(図10)。
黒糖では「やや増加する見込み」が19%、「やや減少する見込み」「大幅に減少する見込み」が合わせて19%を占めたが、「大幅に減少する見込み」については前年度調査を11%下回った。
異性化糖では、「大幅に増加する見込み」「やや増加する見込み」が13%となり、「やや減少する見込み」については黒糖よりも回答が多く、26%を占めている。前年度調査で回答のあった「大幅に減少する見込み」は見られなかった。
増加の要因は、黒糖においては「需要の増加により商品の出荷数量が増えるため」「新商品を開発するため」が同数で、その他に「1商品当たりの含有量を増やすため」「コロナ禍からの回復基調がうかがえるため」などの回答も見られた。主に、スナック菓子・米菓・油菓子・ビスケット類、和生菓子・洋生菓子などに使用している企業からの回答であった。異性化糖においては「需要の増加により商品の出荷数量が増えるため」が大半で、その他に「コロナ禍からの製品販売回復」などの回答も見られた。主に、プリン・ゼリー類、アイスクリーム類、コーヒー・ココア・紅茶飲料などに使用している企業からの回答であった。
減少の要因は、黒糖においては「需要の減少により商品の出荷数量が減るため」が大半であり、「商品の生産を中止するため」などの回答も見られた。主に、スナック菓子・米菓・油菓子・ビスケット類、キャンデー類・グミ・チューインガム、和生菓子・洋生菓子、パン類などに使用している企業からの回答であった。異性化糖においては、「需要の減少により商品の出荷数量が減るため」が大半であり、「商品の生産を中止するため」「他の甘味料から切り替えるため」などの回答も見られた。主に、パン類、乳飲料、はっ酵乳・乳酸菌飲料などに使用している企業からの回答であった。