2. 主要国の砂糖需給(2022年3月時点予測)
最終更新日:2022年4月11日
2. 主要国の砂糖需給(2022年3月時点予測)
2022年4月
【生産量】
生産量第1位のブラジルは、干ばつや霜害などの影響を受けて3766万トン(前年度比15.6%減)とかなり大きく減少するものの、世界の砂糖生産量の5分の1を占めると見込まれる(図2)。
続くインドは、サトウキビ生産量第2位のマハラシュトラ州と第3位のカルナータカ州で豊作が見込まれるため、3580万トン(同6.4%増)とかなりの程度増加し、首位のブラジルに迫る水準となることが見込まれる。
また、てん菜糖が主体となるEUにおいては、干ばつを記録した前年と比べて生育期の降雨量が多く、大規模な病虫害も発生していないため、1709万トン(同12.9%増)とかなり大きく増加すると見込まれる。
【輸入量】
輸入量第1位の中国では、2020年に引き続き2021年も国内需要を上回る量の砂糖を輸入したことで、国内在庫の積み増しが想定されることから、674万トン(前年度比16.7%減)と大幅に減少するものの、世界の砂糖輸入量の1割を占めると見込まれる。
続くインドネシアは、家庭消費用の砂糖需要の増加に伴い591万トン(同1.2%増)とわずかに増加し、首位の中国に次ぐ水準となることが見込まれる。
【消費量】
消費量第1位のインドは、人口の増加や砂糖需要の回復に伴い、2905万トン(前年度比1.3%増)とわずかに増加し、世界の砂糖消費量の16%を占めると見込まれる。
続くEUは、砂糖需要の回復を受けて1741万トン(同4.0%増)とやや増加が見込まれる。
長らく世界の砂糖需要をけん引してきた中国は、1685万トン(前年度同)と横ばいで推移し、EUの水準をやや下回ると見込まれる。
【輸出量】
輸出量第1位のブラジルは、砂糖の減産のほか、コロナ禍における物流の混乱を背景とした海上運賃の高騰を受けて、インドネシアやアフリカ諸国などでブラジル産の粗糖需要が低下していることから、2727万トン(前年度比19.9%減)と大幅に減少するものの、世界の砂糖輸出の4割を占めると見込まれる。
続くインドは、前回予測では687万トンと第3位だったものの、国際価格の上昇による輸出意欲の高まりを背景に上方修正されて第2位に順位を上げ、857万トン(同0.3%増)と横ばいで推移すると見込まれる。
タイは、731万トン(同85.0%増)と大幅な増加が見込まれるものの、砂糖生産量の下方修正(「5. 日本の主要輸入先国の動向」で後述)とインド産砂糖輸出量の上方修正に伴い、第2位から第3位に順位を下げると見込まれる。
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