3. 国際価格の動向
最終更新日:2022年4月11日
3. 国際価格の動向
2022年4月
ニューヨーク粗糖先物相場の動き(2/1〜3/15)
〜2月は目立った動きがなく18セント台で推移、3月上旬にかけて急上昇し19セント台を突破〜
ニューヨーク粗糖先物相場の2022年2月の推移を見ると(3月限)、1日は、最近の原油高を受けてブラジルの製糖業者がエタノール生産量を増やすとの思惑から、1ポンド当たり18.48セント(注1)まで値を上げた。2日は、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)が同国中南部地域における1月前半のエタノール販売量が前年同期比で大幅減となったと発表したことを受けて、エタノールの減産による砂糖の増産予測が市場に広まり、同17.93セントまで急落した。4日は、原油価格の上昇(注2)に伴い同18.23セントまで値を上げた。9日は、商品先物や金融市場が上向く中、同18.48セントまで上昇した。10日は原油価格の動きを受けて下落に転じ、15日は同18.07セントまで値を下げた。22日は、原油価格の上昇やレアル高(注3)に伴い、同18.48セントまで上昇し、23日も同18.53セントと続伸した。25日は、原油価格の落ち込みを受けて同17.99セントまで下落した。28日は、国際砂糖機関(ISO)が2021/22年度における世界の砂糖不足量を前回予測から縮小したことで伸び悩み、同18.00セントで3月限は納会した。
期近が5月限に切り替わった3月1日は、ロシアのウクライナへの軍事侵攻を背景に原油価格が急上昇する中、同18.34セントを付けた。原油価格の急上昇を受けて、砂糖相場も上昇し、4日は同19.35セントまで値を上げた。7日は、原油価格が上げ要因となったものの、2月末時点の砂糖生産量が前年同期を上回ったとインド製糖協会(ISMA)が前週末に発表したことを受けて、同19.27セントまで下落した。8日は、原油価格の上昇を背景に、同19.43セントまで再び上昇した。9日は、原油価格の下落や、来年度のブラジル産砂糖生産量の増加を大手金融企業が予測したことにより、同18.94セントまで急落した。10日は、ブラジルの国営石油公社による燃料価格の引き上げが同国の製糖業者によるエタノール生産量を増やすと想定されたことで、同19.10セントまで上昇した。11日は、原油価格の上昇に伴い、同19.24セントまで値を上げた。15日は、原油価格の落ち込みを受けて、同18.73セントまで下落した。
(注1)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が上昇すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も増加する。バイオエタノールの需要増加により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ると想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが上昇すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が低下する。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すると、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。
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