2021/22年度の砂糖生産量はかなりの程度減少し、輸入量は大幅に減少する見込み
2021/22年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、112万ヘクタール(前年度比3.6%減)とやや減少すると見込まれる(表4)。サトウキビ生産量は、主産地である広西チワン族自治区や雲南省の天候が良好であったため、7389万トン(同0.4%増)とわずかに増加すると見込まれる。一方、同年度のてん菜の収穫面積は、トウモロコシへの転作の増加により
(注1)、14万ヘクタール(同37.8%減)と大幅に減少すると見込まれる。てん菜生産量も、収穫面積の減少や冬季の寒波などを背景に、712万トン(同42.5%減)と大幅な減少が見込まれる。
砂糖生産量は、原料の減産に加え、てん菜収穫期間中に発生した大規模停電による製糖工場の操業停止や、降雨によるサトウキビ収穫の遅滞などを受けて1040万トン(同9.8%減)とかなりの程度減少すると見込まれる。輸入量は、2020年に引き続き2021年も国内需要を上回る量の砂糖を輸入したことで、国内在庫の積み増しが想定されることから、674万トン(同16.7%減)と大幅に減少すると見込まれる。
(注1)同国では、アフリカ豚熱からの回復による豚飼養頭数の増加を受けて、飼料用トウモロコシなどの需要が高まりを見せている。詳細は、2021年6月17日付海外情報「中国農業展望報告(2021–2030)を発表(飼料編)(中国)」https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002967.htmlを参照されたい。
農業や農村の近代化推進計画を発表、サトウキビの収量や品質の向上を目指す
中国国務院は2月11日、第14次5カ年計画(2021〜25年)
(注2)に基づく、農業や農村の近代化の推進を目的とした計画(農業と農村の近代化推進に関する第14次5カ年計画:機構仮訳〈“十四五”〉)を発表した。これによると、農作物の生産基盤の強化や供給の安定化、農業分野の技術開発による競争力向上、農村部での産業発展、農村のインフラ整備、農村での生活様式における低炭素化、貧困からの脱却促進などを進めるとしている。
砂糖産業については、主要なサトウキビ生産地である広西チワン族自治区および雲南省の生産能力の向上、砂糖の輸入先の分散によるサプライチェーンの安定化、収量の低い
圃場 の改善の迅速化、農作業の機械化が可能な大規模な圃場の拡大が記載されている。
(注2)中国の経済および社会の発展に係る国家計画(「国民経済・社会発展第14次5カ年計画」)で、2021年3月に発表された。