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5. 日本の主要輸入先国の動向(2022年3月時点予測)

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最終更新日:2022年4月11日

5. 日本の主要輸入先国の動向(2022年3月時点予測)

2022年4月

 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14−110〉および甘しゃ糖・その他〈同 1701.14−200〉の合計)の主要輸入先国は、豪州およびタイで、2021年の主要輸入先国ごとの割合を見ると、豪州が86.6%(前年比0.03ポイント増)、タイが13.4%(同2.9ポイント増)となっており、2カ国でほとんどを占めている(財務省「貿易統計」)。

豪州

2021/22年度の砂糖生産量は、やや減少する見込み
 2021/22年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、35万ヘクタール(前年度比1.2%減)とわずかに減少すると見込まれる(表6)。サトウキビ生産量は、3011万トン(同3.1%減)とやや減少すると見込まれる。

 砂糖生産量は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による都市封鎖や主力製糖工場での機械故障などによる稼働率の低下、収穫期終盤の豪雨による収穫作業の遅れなどが影響し、415万トン(同5.3%減)とやや減少すると見込まれる。輸出量は、生産量の減少を受けて、333万トン(同0.9%減)とわずかに減少すると見込まれる。

東部で発生した洪水により、ニューサウスウェールズ州の圃場が浸水
 豪州の東部では、2月末から豪雨が続き、サトウキビの主産地であるクイーンズランド(QLD)州南部およびニューサウスウェールズ(NSW)州北部を中心に大規模な洪水が発生した(QLD州は国内生産量の95%程度、NSW州は残りの5%程度を占めている)。

 現地報道によると、NSW州のサトウキビ圃場の一部で浸水被害が発生した。同州のサトウキビの平均的な栽培期間が2年間である中、2年目のサトウキビの大部分は無事とみられるものの、栽培1年目で生育途中のサトウキビの生育が今後大きく阻害されると同州のサトウキビ生産者協会の代表は予測し、現時点で全体の50%以上のサトウキビの喪失を懸念している。同州ではサトウキビのほかに、大豆やマカダミアナッツ、米、畜産などへの被害も確認されている。なお、QLD州のサトウキビが受けた被害については、3月11日時点で確認できていない。

 
 

タイ

2021/22年度の輸出量は、前年度から大幅に回復する見込み
 2021/22年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、149万ヘクタール(前年度比0.2%増)と横ばいで推移すると見込まれる(表7)。サトウキビ生産量は、前年度が干ばつの影響を大きく受けた中、主産地の降雨量が平年並みまで回復し、単収が大きく改善することで、8800万トン(同32.0%増)と大幅に増加すると見込まれる。

 砂糖生産量は、可製糖率(CCS)の低さ(注1)や、グリーンハーベスト(注2)の普及を背景とした(しょう)(とう部や葉などの混入が製糖効率を低下させていることから、前月予測から下方修正されたものの、1031万トン(同29.3%増)と大幅な増加が見込まれる。輸出量は、サトウキビが記録的不作となった前年度からの反動を受けて、731万トン(同85.0%増)と大幅な回復が見込まれる。なお、期末在庫量は、増産見込みながらも、輸出量の大幅な回復から455万トンと前年度よりも減少し(同9.7%減)、期末在庫率も42.0%(同24.8ポイント減)と2019/20年度に近い水準にまで大幅に低下すると見込まれる。

(注1)サトウキビのショ糖含有率、繊維含有率および搾汁液の純度から算出される回収可能な糖分の割合。平年よりも降雨量が多いことが影響し、同年度の平均的なCCSは前年度より2%ほど低い12.6%で推移している。
(注2)サトウキビを燃やさず、そのまま収穫する方法。

表7 タイの砂糖需給の推移

(参考) タイの砂糖(粗糖・精製糖別)の輸出量および輸出単価の推移

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