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最終更新日:2024年6月10日
ニューヨーク粗糖先物相場の動き(4/1〜5/10)
〜5月限は22セント台から19セント台まで下落、5月以降は19セント台で推移〜
2024年4月のニューヨーク粗糖先物相場(5月限)の推移を見ると、1日は、原油高(注1)により、1ポンド当たり22.72セント(注2)をつけたものの、2日以降は、インドでの砂糖の増産やタイの砂糖生産見込みが予想を上回ったことなどから下落し、3日には、同22.22セントとなった。4日は、ブラジルのレアル高(注3)で一時的に上昇に転じたものの、5日以降は、引き続きタイの砂糖増産見込みなどを受けて下落に転じ、11日には、同20.85セントとなった。12日以降は、タイの需給見通しの改善に加え、ブラジルの増産やレアル安でさらに値を下げ、17日には、同19.32セントと15カ月ぶりの安値をつけた。18日は、ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)が2023/24年度(4月〜翌3月)のブラジルの砂糖生産量予測を下方修正したことで上昇に転じ、24日には、同20.00セントをつけた。25日以降は、CONABが24/25年度のブラジルの砂糖生産量を過去最高と予測したことなどから、26日には、同19.40セントと再び下落した。29日は、ブラジルでの過度な乾燥とタイでの記録的な暑さにより、一時的に上昇に転じたものの、30日は、ドル高などにより下落し、同19.71セントで納会した。
7月限に切り替わった5月1日は、原油価格の下落により、同19.22セントをつけたものの、2日以降は、ブラジルのレアル高のほか、インドの減産による世界的な砂糖供給量の減少見通しにより、7日には、同19.95セントまで上昇した。8日以降は、ドル高により、10日には、同19.30セントまで下落した。
(注1)一般に、原油価格が上昇すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も増加する。バイオエタノールの需要増加により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ると想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。
(注2)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが上昇すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が弱まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すると、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。