ホーム > 砂糖 > 砂糖の国際需給・需給レポート > 3 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2024年5月時点予測)
最終更新日:2024年6月10日
砂糖生産量は、サトウキビの減産見込みを背景に、4910万トン(同0.7%減)とわずかに減少が見込まれているものの、依然として記録的な生産量となった23/24年度に迫る高い水準を維持すると予想されている。
砂糖輸出量は、生産量がわずかに減少する見込みであるものの、インド産やタイ産の輸出が振るわないことから、引き続き国際市場でのブラジル産砂糖の堅調な需要が期待され、3893万トン(同3.3%増)とやや増加が見込まれている。
2023/24年度の砂糖輸出量は減産と国内供給の確保により大幅に減少する見込み
2023/24年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、522万ヘクタール(前年度比4.1%減)とやや減少が見込まれている(表)。サトウキビ生産量は、主産地であるマハラシュトラ州では前年を上回るものの、ウッタル・プラデーシュ州東部では冬季の降雨が少なかったことや赤腐病(red rot)(注)の発生で不作傾向となったことなどから、4億3572万トン(同4.4%減)とやや減少が見込まれている。
砂糖生産量は、同国政府がサトウキビ由来のエタノール生産を制限し、引き続き砂糖への仕向けを優先させているが、ウッタル・プラデーシュ州でのサトウキビの減産などにより、3490万トン(同1.4%減)とわずかな減少が見込まれている。同国政府はエタノール生産の国内利用を推進するべく、24年1月中旬に糖みつ輸出に対し50%の関税を導入した。
砂糖輸出量は、砂糖の減産見込みに加え同国政府による輸出制限により、445万トン(同48.5%減)と前年度の半分近い水準となる大幅な減少が見込まれている。
(注)真菌の感染によって引き起こされる病気で、茎の内部が腐り、赤色に変色する。サトウキビの単収や砂糖の回収率に深刻な影響を与えるとされている。
2023/24年度の砂糖輸出量は大幅な増加の見込み
2023/24年度(10月〜翌9月)のてん菜の収穫面積は、EU最大の主産地であるフランスで減少が見込まれる一方、ポーランドなどでは、てん菜がトウモロコシや小麦と比較して収益性が高いことで、栽培面積の増加が見込まれるため、144万ヘクタール(前年度比3.2%増)とやや増加が見込まれている(表)。てん菜生産量は、栽培面積の増加に加え、イタリアやドイツなどで前年度よりも生産量が増加したことなどから、1億992万トン(同9.5%増)とかなりの程度増加が見込まれている。
砂糖生産量は、てん菜の増産を背景に1639万トン(同5.2%増)とやや増加が見込まれている。
砂糖輸入量は、22/23年度の輸入量が同年の生産量の減少により増加したことに加えて、24年2月は過去最低の輸入量となるなど低水準であることから、230万トン(同30.0%減)と大幅な減少が見込まれている。
一方、砂糖輸出量は、砂糖生産量の増加などを受け、208万トン(同93.5%増)と大幅な増加が見込まれている。