平成28年度大島本島地区さとうきび生産振興大会及び夏植推進式の開催について
最終更新日:2016年8月29日
2016年8月
平成28年度大島本島地区さとうきび生産振興大会(主催:大島本島さとうきび生産対策本部 共催:奄美市さとうきび振興対策協議会、龍郷町さとうきび振興会、あまみ農業協同組合大島事業本部、富国製糖株式会社)が、8月3日(水)、鹿児島県奄美市の奄美市笠利農村環境改善センターにおいて開催された。当日は、奄美大島内のさとうきび生産者の他、糖業関係者、自治体など250名が参加した。
大会の冒頭、元多政重奄美市笠利総合支所長が朝山毅大島本島さとうきび生産対策本部長(奄美市長)の代理として次のように開会のあいさつを述べた。
「27年産は台風12、15号の影響や株出ほ場の単収低下が続き、前期から370トン減少の2万1772トンという残念な結果となりました。28年産は各さとうきび協議会や関係団体に協力を依頼しながら生産回復の対策を進めていきたい考えです。夏植推進目標104ヘクタールは、生産者の協力がなくては達成できません。さとうきび産業が早期の生産回復を達成することを期待しております。」
徳田康光副本部長(龍郷町長)も「27年産は春先の低温、台風、株出回数を重ねたほ場の影響から減産になりました。一方で生産者の手取価格は若干上昇しました。28年産もさとうきび生産対策本部が中心となり、病害虫対策や土作り、肥培管理を行い、関係機関一体となって生産量回復の取組みを行っていきます。」と呼び掛けた。
元多政重支所長によるあいさつ
徳田康光副本部長(龍郷町長)によるあいさつ
続いて、当機構の近藤康子副理事長は「当機構は、さとうきびの生産者や国内産糖製造事業者の皆様に交付金を交付することにより皆様の経営安定、また関連産業の健全な発展を通じ、消費者の皆さんに対し砂糖の安定供給が計られるための業務を行っております。さとうきびは台風、干ばつ等の自然災害が多発する地帯である奄美大島をはじめ、鹿児島県薩南諸島、沖縄県においては重要な基幹作物です。また、糖価調整制度については、先に国会に提出されたTPP関連法案においてもその枠組みは維持され、調整金の追加など制度強化が盛り込まれているところです。当機構ではこれまで通り生産者の皆様が安心してさとうきびを作り、製糖工場が安定的に操業できるよう、制度が継続されるようさまざまな形で努力してまいりたいと考えております。地域一体となった関係者のご努力により、一層の活性化が図られるようご活躍を祈念いたします。」と祝辞を述べた。
近藤康子副理事長による祝辞
また、鹿児島県大島支庁東洋行農林水産部長からは「平成27年産は残念な結果になりましたが、28年産はその反省を生かしていただきたい。さとうきびの生産額は群島全体で70億円、経済効果はその4倍はあるので、280億円になります。これは全盛期の大島紬の生産額と同じであり、誇りとできるものです。夏植えの早期実施とかん水を活用して、28年産の豊作を期待しております。」 と激励した。
東洋行農林水産部長による祝辞
富国製糖株式会社の有村成生代表取締役社長による現況報告では「平成27年産は、操業史上ワースト3位の不作でした。特に単収が3.5トンと他の奄美群島の島と比べ1〜2トンの開きがあり、多回数の株出栽培と地力の低下が原因だと思われます。栽植密度を高め、緑肥による地力向上により単収アップをお願いいたします。8月1日現在の生育状況は、茎数、茎長ともに良好です。先月末に農林27号が鹿児島県の奨励品種に選定されましたが、この品種は、まっすぐに直立し初期生育に優れ、収量アップが期待できます。ブリックスについても農林22、23号と比べ同程度かやや優れていますので、植えかえの検討をよろしくお願いします。本日は夏植推進式も兼ねています。今年の夏植推進目標面積は104ヘクタールです。目標面積の植付けを是非達成していただいて生産量の回復につなげていきましょう。」と28年産への意気込みの表明があった。
情勢報告を行う有村代表取締役社長
続いて、奄美市笠利総合支所山野明人糖業推進室長から事業報告が行われ、その後の講演では、鹿児島県農業開発総合センターの河口幸一郎農業専門普及指導員から「さとうきび増産に向けた適期株出し管理と植え付け」と題して、適期株出管理、株出しほ場の改植などについての話、鹿児島県農業共済組合連合会の松尾将平氏から農業共済制度の話があり、参加者は熱心に聞き入っていた。
今大会で採択されたスローガンは以下の6項目で、あまみ農業協同組合大島事業本部の土浜良二奄美市さとうきび生産部会会長が朗読した。
○中耕培土・除草・施肥の肥培管理作業を徹底し生産量回復に努めよう。
○病害虫の早期発見と早めの防除に努めよう。
○さとうきび収穫面積600ヘクタール以上の確保により生産量を増やそう。
○たい肥、緑肥投入による土づくりを行い単収向上を図ろう。
○地域と共生し、話し合い活動を通じて、さとうきびと農地を守ろう。
○夏植推進目標面積104ヘクタール達成に向けて努めよう。
最後に、あまみ農業共同組合大島事業本部の國塚秀三郎本部長の発声により参加者全員でガンバロウ三唱を行い、大会は閉会した。
本大会では平成27年産大島本島地区優良生産者に対する表彰式が併せて執り行われた。表彰を受けた生産者は次の通り。
[生産量の部]
奄美市 榮 完治さん(収穫量:862.733トン)
龍郷町 牧野勝久さん(収穫量: 98.566トン)
[単収の部]
奄美市 湊春次さん (単収:7.18トン)
龍郷町 節和七十七さん(単収:4.65トン)
会場一体となってのガンバロウ三唱
なお、会場内には機構作成のパネルを掲示し、砂糖の価格調整制度の周知・浸透に取り組んだ。
平成28年産は、増産になる見込みであるものと聞いており、今後のさとうきびが増産、生産回復となることを祈念し、当機構としても、今後とも生産者の皆さまへの交付金交付業務の適切な運営に努め、支援を行ってまいりたい。
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農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:鹿児島事務所)
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