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鹿児島純心女子大学にてかんしょでん粉に関する出前講座を開催

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最終更新日:2016年12月21日

2016年11月

鹿児島事務所 長山枝里香
 平成28年11月25日(金)、鹿児島純心女子大学においてかんしょでん粉に関する出前講座を開催した。同講座は、管理栄養士を目指す看護栄養学部健康栄養学科の学生たちに、鹿児島県の特産品であるかんしょでん粉を知ってもらおうと、授業の一環として開講している。平成25年から取り組みが始まり、今年で4回目となる。
 当機構からは、「日本のでん粉事情」と題し、真弓正展鹿児島事務所長がでん粉の生産と、それを支援する価格調整制度の仕組みについて講演を行った。
真弓正展鹿児島事務所長による講演
真弓正展鹿児島事務所長による講演
 また、鹿児島県大隅加工技術研究センターの時村金愛参事付に、「かんしょでん粉の魅力と利用について −かんしょでん粉ってなに?どう使うの?−」と題して、科学的側面から見たでん粉について、ご講演いただいた。
 講演では、でん粉用かんしょの新品種である「こなみずき」の特性について紹介した。「こなみずき」でん粉は、アミロペクチンに短鎖を多く含むため、他のでん粉と比較して、低温で糊化する(低温糊化性と呼ばれる)。また、アミロペクチンに短鎖が多いと、離水しにくくなるため、でん粉が硬くなるのが遅くなる(耐老化性と呼ばれる)。そのため、「こなみずき」でん粉は長期間にわたり弾力を保持できるので、食品への利用が期待されている、といった内容が説明された。
時村金愛参事付による講演
時村金愛参事付による講演
 また、一般のかんしょでん粉、ばれいしょでん粉及び「こなみずき」でん粉を使ったゲルの展示があり、学生たちはでん粉の種類による弾力性の違いを実際に見て、触って比べていた。
でん粉の種類による触感の違いを体験
でん粉の種類による触感の違いを体験
 講演後は「こなみずき」でん粉を使って、調理実習を行い、「落花生豆腐」、「さつまあげ」、「からいもだご汁」、「ブラマンジェ」、「こなみずきでん粉使用ドレッシングを使ったサラダ」の5品を、90分間で手際良く調理した。
調理実習風景
調理実習風景
 「落花生豆腐」は落花生の豆乳にかんしょでん粉を加えてゲル状に固めた料理、「さつまあげ」は魚のすり身とでん粉を混ぜ合わせ、小判型に成形して揚げた料理、「からいもだご汁」は茹でてつぶしたさつまいもにでん粉を加えて練り、団子状にしたものを、野菜とともに出し汁で煮た料理で、いずれもかんしょでん粉を使った鹿児島の郷土料理である。
 これらに加えて、かんしょでん粉と鹿児島県産の黒酢を使ったドレッシングを添えたサラダも用意した。
 また、デザートには牛乳と砂糖にかんしょでん粉を加え、加熱しながら撹拌して柔らかいゼリー状に固めた、フランス冷菓の「ブラマンジェ」を調理した。
調理実習のメニュー
調理実習のメニュー
 その他、従来のかんしょでん粉と「こなみずき」でん粉の2種類のでん粉を使った「ういろう」、「こなみずき」でん粉を使った「チーズスナック」の試食が、時村参事付から提供された。
 従来のかんしょでん粉を使った「ういろう」は、冷蔵庫で冷やし固めると、羊羹のような食感になる。それに対して、「こなみずき」でん粉を使った「ういろう」は、冷蔵庫で固めても耐老化性が高いため、ぷるぷるとした弾力を保つ。
 一方、細長いスティック状の「チーズスナック」はカリカリとした食感となっている。
 参加した学生からは、「もちもち」「ぷるぷる」「カリカリ」「ふわふわ」といった食感の特長について多くの感想が寄せられたほか、「豆腐などの和食からブラマンジェなどの洋菓子まで幅広く使うことができて魅力的」「でん粉の種類によって違いがあり、驚いた」「地元の特産品をもっと知って、将来の仕事に生かせられるようにしたい」と調理用途への関心が寄せられた。
 当講座では、将来、学校給食や病院などにおいて、地域の食と健康を担う学生たちに、かんしょでん粉について理解を深め、調理する機会をもってもらうことで、鹿児島県内でのかんしょでん粉の浸透と普及を図ることができた。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:鹿児島事務所)
Tel:099-226-4741