鹿児島事務所 篠原総一郎
平成28年12月15日(木)、当事務所は平成28年度第2回地域情報交換会を開催した。本交換会は、当事務所が砂糖・でん粉の各種情報に対するニーズを明確化し、的確に情報収集提供業務を実施していく上で、管内関係者からの意見、要望を聴取し、同業務に反映させるために毎年開いているもの。
本年度2回目となる今回の交換会では、鹿児島県下の甘しゃ糖製造事業者、九州管内の精製糖製造事業者、公益社団法人鹿児島県糖業振興協会を参集して意見交換などを行った。
交換会では、当事務所の真弓所長からのあいさつに続き、まず、本年度における鹿児島事務所での情報収集提供業務の取り組み状況を報告した。今年度の同業務については、価格調整制度周知活動やさとうきび甘蔗糖関係検討会の開催など年度当初の計画どおりに進められており、2月には、初めての試みである、甘しょでん粉を用いた料理教室の実施も予定しているところ。
続いて、当機構本部から豪州における砂糖産業についての情報提供を行い、出席者からは豪州のさとうきび生産における高単収の理由やかん水施設の整備状況などに関する質問が出されていた。
また、各出席者からは、所属組織の活動状況などに係る情勢報告をいただいた。
鹿児島県内の甘しゃ糖製造事業者からは、今年は、熊毛、奄美両地域のほとんどにおいて台風や干ばつなどの自然災害被害が軽微であり、さとうきびは順調な生育状況を示している旨が報告された。奄美大島、与論島以外の製糖工場では、既に年内操業が始まっており、高い生産量が期待されている。ただし、さとうきび自体がまだ成長途中である圃場も多く見られ、工場搬入時の糖度については当初見込みよりやや低めだという。
一方、精製糖製造事業者からは、昨年の当交換会でも話題に上った高糖度原料糖(糖度98.5度以上99.3度未満)の取り扱いについての報告が多く、従来の原料糖と比較して流動性が高いことから運搬方法や工場受け入れ体制に工夫を凝らしているなどの報告があった。
この他、さとうきび甘蔗糖関係検討会の今後の実施方法についての提案なども出された。
最後に、真弓所長が、出席者から出された意見や要望を総括した上で、今後ともさとうきびおよび砂糖の増産に向けて、当機構として価格調整制度の周知などを積極的に実施していく旨あいさつし、閉会した。
※当日報告された豪州砂糖産業の内容については、下記リンクの当機構情報誌レポートを参照されたい。
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_001372.html