鹿児島事務所 石井 稔
5月28日(日)、鹿児島県大島郡伊仙町の伊仙町義名山総合体育館において、徳之島さとうきび生産振興大会並びに製糖終了感謝デー(以下「生産振興大会」という)が開催された。
生産振興大会は、主催が徳之島さとうきび生産対策本部、南西糖業株式会社、共催は奄美群島糖業振興会、あまみ農業協同組合、徳之島きび輸送事業協同組合、南大島農業共済組合で、当日は徳之島3町の生産者、糖業関係者、JA及び行政関係者など約300名が参加した。
徳之島における平成28/29年期のさとうきび・甘しゃ糖の生産実績については、収穫面積は春植の減少の影響が大きく、前年産から140ヘクタール減少し3587ヘクタールとなった。一方で、平均単収は台風等の気象災害や病害虫被害等が軽微だったことから前年比16.6トン増収の62.0トン/haとなり、原料処理量は22万1000トンと、6年ぶりに20万トン台を回復した。原料の糖度は、前年を0.16度下回る13.87度で、歩留りも前年を0.01度下回る12.66%となり、その結果、産糖量は前年比6700トン増加の2万7900トンと好成績となった。
当日の大会では、徳之島さとうきび生産対策本部長の高岡秀規徳之島町長が「さとうきびの生産は回復の兆しが見えてきたが、徳之島が取り組むべき生産量は、自然災害に関係なく20万トンと考えている。また、国の制度も変革期を迎えており、以前は増産プロジェクト交付金が交付されていたが、現在は、セーフティネット(害虫の被害や自然災害が起こってから適用となる補助事業)に移行している。しかし、さとうきび生産を堅守するには、セーフティネットの考え方ではなく、被害に強い農業形態や土づくりのための補助事業が必要であり、これを鹿児島県、沖縄県が一体となって国に要望することとしている。徳之島の農業経済の発展のために、農家の皆さまとさとうきびの生産および所得の向上のため、一緒に取り組んでまいりたい。」と生産者に呼びかけた。
また、来賓のあいさつとして、鹿児島県大島支庁の宝正巳農政普及課長に次いで当機構の宇敷特産業務部長から日頃から当機構の業務運営に際して、ご理解とご協力の謝辞を述べた後、「当機構は、糖価調整制度の実施機関として、さとうきびの生産者や国内産糖製造事業者の皆さまに交付金の交付による支援を行っており、生産者の経営の安定や関連企業の健全な発展を通じ、砂糖の安定的な供給を図っている。さとうきびは徳之島をはじめ、鹿児島県南西諸島において欠くことのできない基幹作物であるとともに、地元の工場で製糖されており地域経済を支える重要な役割を担っている。今後も徳之島におけるさとうきびの増産と地域経済の一層の活性化につながることを期待したい。」と糖価調整制度の周知と生産者の皆さまへ応援メッセージを送った。