鹿児島事務所 小山 陽平
11月8日(水)から9日(木)の2日間にわたり、公益社団法人鹿児島県糖業振興協会(以下「糖振協」という。)主催の「さとうきび試験研究委員会」が奄美市内(奄美大島)で開催され、試験研究委員10名を含む各島のサトウキビ担当者38名が出席した。
鹿児島県のサトウキビの奨励品種は審査会において決定されているが、必要に応じ専門的な調査研究を実施するものとされており、本委員会ではサトウキビの奨励品種決定に向けた検討を行っている。
今年度第1回目である本委員会では生産現場での検討を中心に実施しており、現地検討会では生産力検定試験圃場(注1)において生育状況を確認したほか、室内検討会では各島における奨励品種候補(以下「供試系統」という。)の生育状況および平成29年産のサトウキビの栽培動向について検討を行った。
(注1)
サトウキビ新品種の育成に当たっては、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センターなどで選抜された供試系統について、気象条件や土壌条件が異なる各島での適応性を確認するため、鹿児島県では、国・県の試験場のほか、糖振協がさとうきび生産対策本部などに委託して、種子島、奄美大島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島の6島において生産力検定試験を行っている。
生産力検定試験では、発芽率、原料茎数、原料茎長、原料茎径(茎の直径)、原料茎重、甘蔗糖度などの各項目について、鹿児島県の奨励品種で標準品種としての農林8号などと供試系統の成績を比較している。