砂糖の価格調整制度に関する研修会への出席について
最終更新日:2020年3月27日
鹿児島事務所 石井 稔
小笠原 健人
11月5日(火)、鹿児島県大島郡徳之島町のJA会館において、JAあまみ徳之島地区さとうきび部会主催による砂糖の価格調整制度に関する研修会が開催された。研修会には、島内(徳之島町、天城町、伊仙町)のサトウキビ生産農家、糖業関係者など合計30名が参加した。
徳之島における令和元年産のサトウキビ生産は、高齢化や人手不足により植付の管理作業が遅滞し、春植えや株出しの生育が遅れる傾向にはあるものの、台風・干ばつの被災がなかったことで生育旺盛期に初期成育の遅れを挽回し、平年作以上の作柄となった。この結果、サトウキビ生産量は、昨年産よりも 2万4千トン増え、17万980トン(前年比16.6%増)と見込んでいる(図)。
この研修会は、上図に示す生産量や農家戸数の減少に伴い、サトウキビ生産者の生産意欲の減退が懸念されることから、改めて、価格調整制度が安定的なサトウキビ生産に寄与していること及び徳之島の経済の維持発展に貢献していることについて、徳之島の砂糖関係者に対して一層の認識を深めることを目的として開催されたものである。
はじめに、石井鹿児島事務所長が甘味資源作物交付金及び国内産糖交付金の交付業務への日頃からの理解と協力に対して謝辞を述べた後、砂糖は国民の摂取カロリーの8%を占める品目であり食料需給率への寄与度が高いことや、脳とからだのエネルギー源になるため、国民の食生活上必要不可欠であることなどの砂糖の位置づけや、甘味資源作物(さとうきび、てん菜)は、いずれも地元の製糖工場で製糖されており、地域経済や雇用を支えていることなど、さとうきび及びてん菜の位置づけについて説明を行った。
その後、鹿児島事務所の小笠原所員が、内外価格差の現状や砂糖の価格調整制度の仕組みについて、分かりやすい事象を用いて説明し、最後に、交付金の財源となる調整金は、精製糖企業から徴収しており、精製糖企業が販売する砂糖の価格には、精製糖企業が支払う調整金が上乗せされているため、砂糖を購入する消費者も砂糖の価格調整制度を支えている点について説明した。
研修会の終了後に行ったアンケートでは、「砂糖の価格調整制度は、精製糖企業等から徴収している調整金を財源としており、消費者によって守られている」、「高糖度や高単収等のさとうきび生産を行うことで、収益は上昇するが、その逆となる場合は、手取り額は増えないため、生産者の生産意欲は減退する」等の意見が寄せられた。
当機構としては、徳之島のサトウキビ生産の更なる発展を祈念するとともに、生産者の皆様が安心してサトウキビ生産を続けられるよう、今後も交付金の交付業務の適切な運営に努めてまいりたい。
研修会の様子
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